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桑田次郎アダルト短編集2 感覚転移 (マンガショップシリーズ 204)

価格: ¥1,890
カテゴリ: コミック
ブランド: マンガショップ
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絵の描写力とストーリーを兼ね備えたシュールな傑作集 ★★★★★
早くから脱手塚治虫を計り、本格的なデッサンを訓練した桑田次郎の絵柄は、彼独特の感覚も加わり実に見応えがあると共に、「8マン」の時代から、彼の描く切れ長の眼と切なげな表情の女性は海外でも人気があったと聞く。当然ながら、アダルト漫画では、この女性の美しさはより輝く。また、クセのある悪そうな男も実に良い感じである。
「8マン」の東八郎とさち子さんがそのまま老けたような人物が登場する「1発で殺して」(1964)は、顛末が顛末だけに実に可笑しい。
より細かい絵柄の「痴女の宴」(1975)では、姉が2人の男と情交する現場を見てしまう美しい女子高校生の描写が非常に良いと感じた。この女子高生の本質が後に展開されるだけに尚更である。
そして、絵だけではなく、桑田次郎らしいシュールな発想は如何なく発揮され、アダルトという興味だけでなく実に素晴らしい作品揃いであると思う。
時代を感じる ★★★★☆
今回収録された21作品は大きく分けて3つに分類できる。「別冊明星」に載った11作品、「ヤングコミック」「漫画天国」「漫画ボン」など大人向け雑誌に載った7作品、それ以外の3作品の3つである。作品は1964年1月から78年10月までのものである。
「別冊明星」に載った作品は殺人を扱った題材が多いのだが、女性が犯人で男への復讐という意味合いのものが多く、話が短く展開がスピーディーなので暗さを感じさせない軽い作品群になっている。大人向け雑誌に載った作品は長いものが多く、作者得意のSFタッチのものもあって一つ一つの完成度は高い。1970年代に書かれた作品が4つ載っているが、当時流行った劇画の影響を強く受けていて、線のタッチが明らかに変わっているのは興味深い。