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きょうのできごと (河出文庫)

価格: ¥473
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
Amazon.co.jpで確認
500円の価値が分かる本 ★☆☆☆☆
これほど「ブログにでも書いておけ」と思った本は珍しい。
まさに現代らしい平坦でこだわりのない小説と言える。

読んでいて少しも考えさせられるような深みはなく、淡々と表現され進行する話に、
思わず本当にこの人は作家なのかと、別の意味で考えさせられた。

わざわざ本として出版し、売られる必要性が見あたらない。
読者に訴えたいこともなく、感じたことを自分なりに表現したいこともないのであれば、
ブログにでも無料で載せればいい。

これがデビュー作とはいえ、
無意味で、高校生が思い付くような言葉による状況・風景描写が並び、
あとは会話によってストーリーを進める手法は、
ほとんど素人の書き方丸出しとしか思えない。無劇ゆえの劇もない。

ストーリー性も表現性も無駄を省く努力もないこの作品を読むならば、
青年向けマンガの方がよほど面白い。
よく分からなかった・・・ ★★★☆☆
10代にしか聞こえない音がある、と聞いたことがありますが、
10代とか20代前半により響く小説、というのもあるのでしょうか?
この本を読んでそう思いました。

自分が関西弁を使うわけでも、関西方面に詳しいわけでもなかった、という
のもあげられるかも知れませんが、
特にクライマックスのない、たらたら〜、とろとろ〜、という感じで
最後まで読むのが苦痛でした。

そして。
巻末の保坂和志さんという方の解説・・・。
なんだか解説がとても独りよがりで、う〜ん、という感じでした。

好き嫌い、人それぞれ好みがあると思いますが、
私はもっと流れがあったり、アップダウンがあり、
何かヒントとか、心にぴかっと光るものを得られる小説が好きです。
これは私にとってはそういう類のものではありませんでした。
解説は忘れずに読んで欲しい ★★★★☆
 5人の若者の一夜の行動を、それぞれの視点から描いた作品だ。時系列の繰り返しが男女の視点の違いで描かれていて、関西弁のまったりとしたやりとりも含めて、すごく居心地の良い作品になっている。
 特徴的なのは、巻末にあるこの作品を映画化したサインロケに立ち会った作者のルポである。これが本文の延長とも言える、本編と一体化してこれまた心地よい。
 そして解説が非常に良い。この作家の表現がどのようなところが優れているかと言うことが書かれていて、感覚的に流れてしまう文章や作品をしっかり受け止めている気がした。解説は忘れずに読んで欲しい。
角田光代なんぞに直木賞やってる場合じゃない ★★★★★
のっけから何ですが、私は反吐が出るほど角田光代の小説が
嫌いです。

柴崎友香はふと手にとって読んでみたんですが
(映画化のことも知らなかった)、角田光代がこれほど嫌いで
柴崎友香の小説にこれほど心洗われる思いがした、という点に
自分でも意識したことのない自分のこだわりや軸みたいなもの
があるような気がしました。

この人の作品には、人や世界のありようを本当に信頼する力
がある。人や世界のありように、もちろん真っ向から戦おう
とする姿勢も正しいと思う。私が反吐が出ると思う小説は、
そういう信頼や戦意を、〆切のために量産する小説のプロットの
小道具に使って平気でいるような作家が書いたものです。

作品の中の空気が、つくりものでなく、作家本人が生きて
感じた経験から生まれた本物だということが、わかる人には
わかるはず。


買いです。 ★★★★☆
映画化もされた「きょうのできごと」ですが、単行本で読んだ感触をその時には自分の中で明確にできませんでした。しかし、この文庫の解説をものしている保坂和志の名前を一目見て霧が晴れたような気持ちになりました。「プレーンソング」等の、いま以上になにもしない登場人物を描いていたデビュー当時の保坂和志の作風に通ずるものが、この作品にはあるのです。ニートといった人たちとは違う、各々なにかすることを確実に持っている人たちのなにもしていない状態を、これもまた保坂和志の「残響」を思わせる移動する視点から描いた本作は、全体から受けるゆったりとした佇まいとは異なり、緻密に計算された細部から成り立っています。作者が映画監督さながらの統率力でそれらを的確に配置、構成する様にはあまたの新人の作家からあたまひとつは確実に抜けた、一見「シンメトリー」を連想させる見事なバランス感覚を感じます。それゆえこの文庫に付された後日譚めいたエピローグは予定調和ばかりが鼻につく蛇足のような気がしてとても残念でした。