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次の町まで、きみはどんな歌をうたうの? (河出文庫)

価格: ¥494
カテゴリ: 文庫
ブランド: 河出書房新社
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今一番好きな作家さん ★★★★★
柴崎さんの著書はほとんど読んでいます。主人公は超がつくわがままな男の子ですが、なんだか憎めない。それはやっぱり柴崎さんが作りだすキャラクターだからかなぁと思います。

誰かが殺されたり、主人公に特殊な能力があったり・・・そんな特別な設定や展開は何にもありません。でも、自分が生きてる日常も、いとしく思える。そんな世界を見せてくれる作家さんだと思います。
犬が書けている ★★★★★
併収のエブリバディ・ラブズ・サンシャイン。宮沢章夫のエッセイに、女が書けていないというが犬が書けていないと何故いわないのか、という皮肉があったが、この小説は本当に犬が書けている。主人公が横断歩道ですれ違った犬が素晴らしく心に残った。この犬は本当にさりげなく書かれていて、感動のネタにしたりといった人間の側に引き寄せる書き方をしていない。もちろん他にも良いところはたくさんあるが、小説は人間を書くものだということをほとんどの人が疑っていないなかで、こんな風に犬が書けるのは素晴らしいことだと思う。
★★★★★
 この人の本を読むたびにいま日本でいちばん小説がうまいのは柴崎友香なんじゃないだろうか、とよく思う。誇張じゃなくて、本当にそう思う。波乱万丈のストーリーはない。メタフィクションだのスリップストリームだの純文学的な高尚な表現もしない。でも彼女の書く作品は完璧である。
 文章のあたたかみについて考えてみよう。恋愛小説(彼女の作品は恋愛小説じゃないけど、まあ、いいや。これ以降名前を出す小説もすべて広い意味で恋愛小説としよう)は意外につめたい文章で書かれる。たとえば「ノルウェイの森」。冷たい。たとえば「ナラタージュ」。つめたい。もうちょっと行くと、吉田修一。ちょっとあたかかい。中村航。もっとあたたかい。綿矢りさ。一見あたたかいけれど超つめたい。柴崎友香の文章はその中でもだんとつにあたたかい。行間からあたたかさがにじみでてきて、登場人物の吐息までが感じられそうで、読者は安心できる。
 にしても、彼女の作品はいまだに誤解されている。「なんにも起きない話」と平気で言われる。テクスト上ではあんなにいろんなことが起きている。人物の感情が目まぐるしく動き、だからこそ平坦なストーリーなのに飽きることがなく読むことができる。一行一行の密度が「いろいろ事件が起きている話」よりもはるかに濃いのだ。だから、彼女の小説は「なんにも起きない話」ではない。
 解説の綿矢りさ。前二作の解説のプレッシャーに負けたのか、続投を棄権。おまけに、高校生の読書感想文みたいな解説……。いや、いいですけどね。小説はおもしろいですから。
好きな世界 ★★★★★
内容は日常を描いているわけじゃないんだけど、日常って言葉が似合うような作品です。それも、こんなにも愛おしい日常があったのか、って日常。タイトル作品のほか、c/wの「エブリバディ〜」も素敵でした。
表題作、タイトルが秀逸です ★★★★☆
まず、タイトルが見事!
久しぶりにセンスの良いタイトルだな、と思えました。
河出文庫は安いのも良いです、というか安すぎてこのレベルだとかわいそうに思います。

表題作は読んでいて、つい主人公に苛ついてしまいました。
青空感傷ツアーでは腹立ちませんでしたけどね、この主人公はなぁ、ちょっとわがまますぎですよ。
読書で感情的な苛立ちって自分としては珍しいのです。
この作品の1つの価値と言えるでしょう。

もう1つの収録作品、エブリバディ・ラブズ・サンシャインも良い。
出てくる人物達の織りなす会話が柴崎さんの魅力だと思います、そんな魅力を発揮した作品といえると思います。