秀逸
★★★★★
遠藤淑子作品の中で、個人的には一番をつけたいのが本書です。
初期の頃のどたばた、中期のシリアス路線と見ていく中で、彼女の真骨頂である「上質のユーモア」が、最も表現されています。
そして、遠藤作品ならではのさらりとしているのに心に沁みる優しさ、世の中の矛盾に対する哀しさなどもじんわりと効いていて、本当に心癒され何度も読み返す作品です。
作画の好みから手に取ったことこのない方、また男性の方にも、老若男女問わず絶対に読んでもらいたいお勧めの作品です。
外れがない
★★★★★
遠藤淑子さんの作品は全部読んでます。
この作品前後が、作画・内容とも充実していた時期のように自分は思います、
(まだ現役の方なので、あくまでも現時点での感想です)。
アレクとフォレストくんの絶妙な「間」が、
見事な遠藤節で描かれていて、どの回を読んでも外れなし、です。
他の方も書かれていますが、文庫化にあたり書き下ろされた「おまけ」。
それが見たくて、そのためだけに買いなおしました。
やっぱり好きだなあ
★★★★★
たった1ページの(4コマ除く)書下ろしのために文庫も購入してしまいました。
この人の作品はすべて持っています。古本で買ったものは本の傷みも激しいのですが、この作品は比較的最近のものなので新品同様の状態で持っていたというのに(^^;)
以前この人の作品を文庫でそろえなおそうと思って何冊か買ったのですが、それぞれ1冊できれいにまとまっていた作品をごちゃごちゃと、変にぶ厚い文庫に無理に詰め込まれた印象を受けそれ以降は控えていましたが。この作品はシリーズで4冊、と言うことはきれいに2冊になるに違いない!と期待し、そのとおりでした。でも本当は、この作品も、マダムとミスターも、いつか続きが出るのではとずっと期待し続けていたので、ちょっと寂しいです。(だって作品紹介のところに全○巻ていつまでたってもでなかったから!)
12歳の少女と雇われ私立探偵との、テンポの良い言葉の応酬、絶妙な距離感、描ききらないかっこよさ。
絵が雑だなんていわないで、どうかちらっとでも、途中のどこか1話だけでも、読んでみてほしい作品です。
カラー表紙がステキ
★★★★★
短編読みきりが多い遠藤淑子さんの作品の中では、
「マダムとミスター」に並んで連載が続いた(当時コミックス5冊分)作品です。
舞台はNY。大資産家一族の娘・アレクサンドラは実は10歳にして大会社を動かす天才少女!
というベタなあらすじは言わない方がいいんじゃないか、とも思います。
だって遠藤淑子さんの妙技はシナリオではないのですから。
大都会の孤独。社会に鋭く突き刺さるテーマ。
それをかわいい(生意気なところがまたカワイイ)女の子と
余裕を浮かべるめったに本気は出さない(出すとやり手な)私立探偵…
ああ!やっぱり言えば言うほどマンガより陳腐な紹介になってしまう!
読めばわかります!
この頃が一番絵も内容も密度が濃かったですね、
でもそれは過程の話。この表紙のカラーの絶妙な色彩のように、
現在のゆるいセンスの作品もオススメです。
お気に入りの1冊です。
★★★★★
遠藤淑子さんの作品の中でも特にお気に入りの作品。どことなく初期のエヴァンジェリン姫を思わせる11歳ながらに天才少女のアレク。こまっしゃくれて憎まれ口をたたくけど憎めない性格がとてもかわいくてお気に入りです。それと、遠藤淑子さん独特の騒ぎを起こす女性を必ず冷静に対処し助けてくれる男性のフォレストもとてもかっこいい。この2人のかけあいがおもしろくて、思わず一気に読んでしまう作品です。残念なのは、不定期発行のところ。すごく面白いのだから、定期的連載をして、定期的に単行本を発行してもらいところです。遠藤淑子さん作品で残念なのは、この頃の連載が短編化しているところ。キャラクターがなんと言っても魅力的だから、この作品のようにシリーズ化を続けて欲しいです。