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中国思想と宗教の奔流 (中国の歴史)

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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面白い部分もあるが、やや独りよがりな書き方が気になる。 ★★★☆☆
この著者の他の著書について、同じことを述べているレビュアーが多いが、
突然くだけ過ぎる文体が微妙に気持ち悪く、若干、感興を殺がれてしまった。

宋代という、建国当初から遼・西夏・金・元などに圧迫されて、
政治史的には地味な印象のある時代を取り扱うのに、
著者の専門である思想史のほか、後世の日本の「伝統文化」の源流となるような
技術・文化上の様々な革新に触れている点は楽しんで読めたが、
これもやはり二つ下のレビュアーが述べているように、
題名ほどには思想・宗教プロパーについての議論は多くなく、
むしろ、それらを主宰した士大夫層の陰湿な党派的抗争について、
妙に楽しそうに語っている部分が、思いのほか多かったような気がする。

「あの○○」といった言い方で言及される、よほどの有名人であるらしい人物が、
今まで全く知らなかった名前だったりすることも頻繁にあって、
中国史についてかなりの知識がある読者ならともかく、
私のような、ごく一般的な知識しかない読者にとっては、
流れを追うだけになってしまう部分も多かったのだが、
初見の人物ばかりを描いていても、書き方の工夫ひとつで
面白おかしく読ませてくれる学者もいないわけではないのだから、
種々の読者層へのもう少し広い目配りがあれば、と思わずにはいられなかった。
中国文化史上の一大転機 ★★★★☆
 講談社による中国史の新シリーズ第7巻は、宋朝300年の歩みを対象にしています。
 この時代、士大夫層アイデンティティの確立、大衆的都市文化の勃興、貨幣の流通の本格化や信用取引の萌芽、そして儒教思想の変容など、中国史上一つのターニング・ポイントとなっており、伝統中国のイメージの起点ともいうべき位置を占めています。
 著者はもともと中国思想を専門とする方の由で、本書でも、儒教をはじめとする思想界の新展開に注目しつつ、その背景をなした時代的特質や社会的現実の変化などを説き明かしていきます。新文化の展開全般にも丁寧な解説が加えられており、文化国家としての宋朝の面目を鮮やかに描き出しています。
 さて、学界ではつい最近まで、宋朝は中世なのか近世なのかについて深刻な論争が戦わされていたとか。何でそんなことに目くじらを立てていたのかという気もしますが、これまでの概説書では、大なり小なりこの論争の影響を受けていたように思います。これに対して本書では、そうした命題に関わりなく、時代の姿をありのまま淡々と描こうという姿勢のように見受けました。論争の克服を示すものであり、我々一般の東洋史ファンにとってはありがたいことです。
 内容的には必ずしも簡単平明とは言えないかも知れませんが、少しでも分かり易く説明しようという姿勢が感じ取れ、好感を抱きました。時として洒脱な著者の語り口も魅力的です。
 「とにかく思想史はダメ」という向きはともかく、広く皆さんにおススメできる一冊です。
宋代史 ★★★★★
 秦漢や唐代に比べるとやや地味な印象のある宋代を本書は対象としている。唐の崩壊から北宋・南宋・そしてモンゴルに滅ぼされるまでの三百年を通観する。
 特にその文治主義をとったがゆえに異民族に対して軍事的に劣勢であった後世に影響を及ぼす文化や思想を残した。それが士大夫精神や朱子学であり、本書のタイトルともなっている。ただし実際には本書は宋代の概説であり、いささか内容とタイトルに乖離があるのではないかと思われる。 
 引き続き図表、主要人物略伝、キーワード解説、参考文献が大変充実していて今後の読書・研究に役立つ。