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中国の歴史 6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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本シリーズの最高傑作と言えるかもしれない。 ★★★★★
今のところ、最新の中国通史であるこのシリーズだが、
本書はそのなかでも、最も良く書けているのではないかと思う。

最初の150頁ほどで、隋唐の政治史をひとくさり語り終えてから、
税制や兵制などの社会制度の変遷、仏教や道教などの宗教における革新、
東アジア一円を含む広域の外交関係、民衆の生活と女性の役割といった、
個々のトピックにおもむろに触れていく構成はオーソドックスで、
およそ奇を衒ったところのない、淡々とした書き方になっているが、
いくつかの箇所では、従来の定説に対する
ラディカルな見直しの必要性も明快に表明されている。

押さえるべき部分はきっちりと押さえていながら、
見た目はあくまで平明に書かれた、ケレン味のない文章に、
あたかも白湯を飲んでいるような心地良さを覚えた。
ある程度専門的な内容を、素人向けに噛み砕き過ぎることなく、
平易な文章に落とし込む著者の力量は、
並々ならぬ学識に支えられていると感じる。

内容的に興味深く感じた点はいくつもあるが、
則天武后ら女性が活躍したこの時代の雰囲気の中に、
漢民族に固有のものである儒教的倫理観とは異質な、
北族(胡族)的な柔軟さやルーズさを読み取るという着眼点は、
この時代に特有の華やかさを巧みに捉えているように思う。
時代の姿、時代の空気 ★★★★★
 講談社による中国史の新シリーズ第6巻で、隋唐両朝の327年間が対象です。両朝の歩みをいろいろな角度からバランス良く解説し、中国史の流れの中での位置付けや意義などを分かり易く説き明かしています。特に気付いた点は以下のとおりです。
 (1) 唐帝国の「露払い」的な扱いをされることの多い隋朝につき、南北社会の統合や律令的国家体制整備の面などでその後の歴史に大きな影響を与えたとし、その治績を積極的に評価しようとしています。
 (2) 唐朝後半の藩鎮体制について、歴代王朝による古代以来の地方支配システムの集大成的な意味合いがあることに注目し、「藩鎮の跋扈が唐の命取りになった」といった通俗的な見方を排しています。また、「安史の乱」以降は弱体化一途のイメージがある唐朝中央政府ですが、実は両税法の施行とそれに伴う中央兵制の充実により、地方藩鎮との関係で相当のイニシアティブを回復していたことに注目しています。
 (3) 政治史のみならず、律令制下における農村や都市の暮らし、則天武后をはじめとする女性の生き方、周辺諸国との交流や外交など、多角的な切り口から時代の有様をいきいきと描いています。
 (4) この時代の特質は「緩やかさ、ルーズさ、やわらかさ」や「体制の柔構造」にあるとし、武周革命に見る政権の不安定さ、玄宗朝における個人的恩寵関係の影響、さらには唐朝が300年もの命脈を保ったこと、などなどの秘密をそうした中に見出そうとしています。
 著者は、「時代の姿や空気を内面から浮き彫りにすること」こそが歴史研究の目指すべきものという考えですが、本書には、そうした問題意識が見事に体現されていると思います。素晴らしい本だと思います。
古典古代の完成期、その爛熟した文化 ★★★★★
 本書は隋唐帝国に焦点を当てる。
 南北朝の時代に終止符を打ち、北朝の質実剛健さと南朝の優雅さを引き継いだ大帝国だ。
 その政治経済軍事文化は、東アジア世界に大きな影響を及ぼし、現代の日本ににももちろん影響は及んでいる。本書ではそれらのことが多くの地図や図表を伴って図示されており読みやすい。基本的にはオーソドックスな書物。年表や人名解説、参考文献も充実しており今後の研究にも役立つ。