この本はタイトルの通り、マーケティングの4Pの中のプライス(価格)とプロモーションに関する本ですが、プロモーションについては、広告やPRを除くいわゆるセールス・プロモーションについて取り上げています。
セールス・プロモーションは、通常、短期的な需要開拓を目的に実施されますが、その際、価格とはとても密接に関係してきます。
いままで別々に議論されることが多かった価格とセールス・プロモーションについて、関連づけ統合した(少なくとも、そう心がけた)、今までにない本だと思います。
さらには、短期的な需要開拓のみならず、長期的なブランド構築にむけたセールス・プロモーションや価格のあり方についても触れられています。
そういった意味で一定の評価はできる本だと思います。
が、多数の筆者によって章毎に執筆を担当しているこの手の本にありがちなパターンなのですが、章毎に個別の論文を読んでいるような感じが否めません。
また、それぞれの章毎に今までどこかで読んだような気がする内容を復習するという意味でとても勉強にはなりましたが、新たな発見は少なかったような気がします。まだ一般的には認められていないような新たな切り口を書くというのはちょっとリスクがあるでしょうから、他の執筆者が数多くいると遠慮してしまうのでしょうか・・・
この本をきっかけに、価格とセールス・プロモーションについて統合した本を、一人の筆者が書くことで本全体の統一感を出しつつ、新たな切り口や価値も付加した上で、登場してくることを期待したいなぁと思います。