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自閉症―これまでの見解に異議あり! (ちくま新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 筑摩書房
Amazon.co.jpで確認
期待して読んだだけに残念 ★★☆☆☆
ここ数年の自閉症関連の出版物は
当事者&家族の書いたものの他では 医学&医療サイドから見たものが多かったけど
この著者は知的障害者の福祉施設に長く居た人なので
この本は福祉寄りの(しかも、かなり古くさい)視点で書かれてる

著者の主張は
・自閉症ったって ただの知的障害なんだから 別枠で考えるなんてナンセンス!
・そもそも昔は『自閉症』なんて云う概念は無かったけど 幸せにやってたじゃん
・治療とか 訓練とか プログラムとか スキルとか 言わなくたって 普通に生活させればいいんでしょ
・世の中が『ありのままの障害者』を受け入れさえすれば おーるおっけーじゃん
ってかんじ
ぇえ〜〜〜?
中世以降の先進国で 障害者をありのままに受け入れていた社会なんて
いつ、どこに有ったって言うの???
それに 障害のある人の人生の質を最大化させるには
医学的な見地(治療や訓練を志向)も 福祉的な見地(援助を受けながら生きることを志向)も
どちらも大切だと思うんだけど
この著者は 治療や訓練に批判的
確かに、素人が医学的な見地に偏ってしまうと
身近な障害者に 人生の大部分を『治療』と『訓練』に費やさせてしまうような過ちも 起こりうるけど
だからって 最新の理論を採用しないのも 当事者の能力の可能性を潰すことにもなるんじゃない?
この人の考え方には現実味を感じられなかった

『世の中』と『障害者』の関係性に関する主張では
・広域に行動範囲を広げる知的障害者も多数居るので その点を考慮した『教育』と『福祉』が必要
・触法者が出ると「障害者を隔離せよ」という世論が起こるけど そんなことでは何の解決にもならない
ってな事を言ってて その点は 納得

ちなみに 著者の『自閉症者』の概念には
『高機能(アスペルがータイプ)』は含まれていません
『高機能自閉症(アスペルガー症候群)』なんてのは 医学界のただの流行り だとでも思っている様子

諸々併せて 星2つ ☆☆

【追記】
若い読者の中には
この著者のスタンスの何が問題なのか
また、それについての議論が これまでにどうなされてきたのか
わからない人もいる事でしょう
その辺りについて分かりやすくまとめた本があります
障害は個性か―新しい障害観と「特別支援教育」をめぐって
第1章だけでも読んでみて!
分かりやすく、また、第2章以降も現実的で実践的で参考になる事でしょう
どっちが自閉? ★★★★☆
 孤島にひとり取り残されたロビンソン・クルーソーの自閉症か、否か、を論じることに
果たして何の意味があるだろうか。
 あろうはずもない。各人のロジックの固有性、特殊性は他者との交わりにおいて初めて
明らかにされるもの。
 むしろ、問題とされるべきは、己のロジックの無謬性、正当性、普遍性を信じて疑わぬ、
自称「正常」な人々の頭の悪い「自閉」、とは極端か。
 そうした愚鈍への批判の書として非常に有効。
著者の見解に異議あり、ですね。 ★☆☆☆☆
自閉症は記憶のやり方に特殊性をもつ知的障害のバリエーションに過ぎない、という説を展開する本。だから、自閉症だからといって特別扱いすべきではない(暗にTEACCHを批判)し、フォーマルなトレーニング=「訓練」もふさわしくない(暗にABAを批判)し、さらには社会は自閉者のありのままを受け入れ、山下清などに代表される彼らの特殊な才能に敬意を払うべきだ、といいます。
第一の問題は、そのような「何もしないで受け入れる」という関わりかたが、真に自閉症者の幸福の最大化につながるのか、ということですが、それはまずはおいておいて、内容について。

論旨がハチャメチャで話題が飛びまくり、内容が薄いのに読むのに非常に難儀しますが、それでも何とか読み進めていくと、著者の主張のベースには、要は非常に古臭い、自閉症への精神分析アプローチへのノスタルジーがあり、そういった古い立場を駆逐しつつある、TEACCHやABAといったより科学的なアプローチへの反感から、「異議あり!」という申し立てをしたいのだ、という構図が浮かび上がってきます。
出たばかりの書き下ろしの本のはずなのに、引用されるのは1960年代、70年代といった信じられないほど古い文献ばかり。この辺りからも、本書の主張が相当に時代錯誤的であることが透けて見えます。

自閉症への効果的なかかわり方がどんどん具体的に実現されつつある現在、かつては成り立っていた、「よくわからないけど何となく受け入れてかかわったつもりになる」という療育のあり方はもはや居場所を失っています。そうやって、何十年か前のかつての居心地のいい?居場所を失った著者の「異議あり!」という声は、もはや現に自閉症児者にかかわり、必死に働きかけを行なっている「現場」の親御さんや療育者に届くことはないでしょう。
了解心理学的自閉症論 ★★★★☆
 自閉症者をその内面から理解することは、いわゆる健常者にとってはなかなか難しいことなのであろう。内面を理解するためにはまず第一に「共感」が必要だが、自閉症者に対しては通常の意味での感情的な共感は成立しにくい。自閉症者の内面に共感し、理解していくためには、本書に述べられたような詳細な観察や論理的推測を積み重ねていくことが必要なのではないだろうか。
しかし、こうした作業を重ねていくならば、今まで了解不能なものと見なされてきた自閉症者の内的世界も了解可能なもの、健常者の心的世界と地続きなものとして立ち現れてくるのではないだろうか、というのが著者の主張とお見受けした。
この了解心理学的視点は、今までの自閉症研究には比較的少なかったものであり、よって貴重である。

自閉症者自身が一人称で自分自身を語った著作はこれまでにも多く出ている。
しかし、そうした著作に描かれた自閉症者の自画像は、時にひとりよがりに陥ることもあり、決して分かりやすいものではなかった(ドナ・ウィリアムズの著作を読んだことがある人ならわかるであろう。分かる人にしか分からないような表現が多すぎるのである)。
自閉症者が真に自分を誰かに理解してもらおうとするならば、健常者の世界と自分自身を橋渡ししてくれるような援助者の存在が必要不可欠であるし、村瀬氏はそのような視点を持った人なのであろう。
この本に対しては批判的な評価もあるようだが、村瀬氏がめげずに次回作に取り組まれることを望む。
なぜ批判されるのか ★★★★★
 症例は少ないが、実体験と著名例を対比し、巧みなモデル解釈を行っており、説得力もある。病気の原因を、神経伝達物質の代謝異常にまで遡って突き止めるうえで、よい指針になると考えられる。記述も、論理的で飛躍も少なく、難解ではない。
 この本に反論批判が多いのは、自閉症への科学的なアプローチに抵抗を感じる大陸派の心理学関係者やそのファンの存在があるのだろう。アメリカではフロイトからの流れをカルトと軽蔑する人もいるというが、日本では人気だ。わたしはカルトという批判はおかしいし、性に着目した点は画期的と思っているが、この本の感想を見ているとカルト的な心理マニアも存在するのではないかと感じてします。
 著書の評価に戻りますが、これだけ毀誉褒貶があるというのは、この本の意味が大きい証左だと思います。お薦めします。