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かくれさと苦界行 (新潮文庫)

価格: ¥746
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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吉原御免状の続編 ★★★★★
主人公松永誠一郎との戦いで片腕を失った柳生義仙が片腕で扱える小太刀の剣を極めて再度吉原に。
吉原の惣名主となった主人公の前にはさらに裏柳生の代表である「お館さま」が新たに登場します。
前作を勝る迫力で描かれ、
吉原と裏柳生の神君家康の御免状を巡る闘いが一先ず決着します。

解説によるとこの後の話の構想があり連作となる予定だったようです。
吉原御免状を読んだ方はこちらもぜひ、というか、必ず読んでもらいたい一作です。

咲き乱れる人間花火 ★★★★★
故・隆慶一郎「吉原御免状」の続編。

悲しくて、切なくて、涙がとまりません。
男女わけ隔てなく、登場人物全員が文句なしで格好いい。

身分であったり、血筋。生まれながら人間が背負い込む宿命。その中で、それぞれが果敢に織り成す人生。人間の力では、どうしても抵抗しようがない宿命に、正面から向かっていく全ての登場人物に惚れてしまいます。

文芸作家として5年で急逝した隆慶一郎。
幕府の吉原対策として建てられた上野寛永寺を舞台に予定されていた3部作目が惜しまれる。
見事な決着 ★★★★☆

吉原御免状の続編で、吉原御免状の結末が中途半端となっていた、宿敵の柳生義仙との決着、吉原御免状を巡る老中酒井忠清との顛末などが描かれて、物語が見事に完結する。

ストーリーも面白いが本書の魅力は登場人物のキャラクターの豊かさである。
主人公の松永誠一郎は宮本武蔵野直弟子である上に、柳生宗冬から柳生新陰流の伝授も受けた天才的な剣士であるが、人間的には素朴かつ純真であり、それ故に柳生一族との本意でない争いに巻き込まれて人を斬る苦しみは計り知れないものになる。その他の登場人物も悪役である柳生一族でさせも、各々が苦しみを抱えながら生きていることが鮮やかに描かれている。

もう一つの魅力は詳細かつ真に迫った決闘場面である。剣に関して全く無知な人間が読んでも柳生新陰流の技や秘術が目に浮かぶように鮮やかに描写されており、息を呑むような迫力がある。

以上のように色々な角度から楽しむことができる傑作だと思う。
無益な行為にも、結着はつけねばならぬ ★★★★☆
「吉原御免状 」の続編。
<これが遂に覚者になれなかった男の、成れの果ての姿か>
今作から登場する荒木又右衛門の哀切の念。相手と自分の命をやりとりする中で、積み重ねてしまう愚行。
人物として一種爽やかなだけに、余計にその悲しみが迫ってくる。
荒木又右衛門と幻斎の死に様。
作中の人物以上につまらぬ愚行を積み重ねている自分は、果たしてどんな死に様を見せるのか。
それでも「無益な行為にも、結着はつけねばならぬ」。
神君御免状の正体 ★★★★★
 「吉原御免状」の続編。この巻に至ってその正体が明かされる。ネタバレするとつまらないので他のレビューは読まないほうがいいと思うのだが・・・
 ポーの「盗まれた手紙」ではないが、世の中には内容がわからないゆえにより効力を発揮する書状というものがある。脅迫、というのもそれと同じで、実際に脅しの内容を実行してしまうと、もう恐ろしいものはなくなってしまうということだ。そして、この吉原御免状は神君徳川家康から吉原の創設者庄司甚左衛門に下された書状なのだが、まさしくそういった性質を持つものなのだ。
 この書状を苦心惨憺して入手した時の権力者、酒井忠清は、その内容を見たことが原因で狂死してしまう。さて、果たしてその内容は何だったのか。あとは本作を読んでのオタノシミです ^^