Sonic Origami - インターネットデパート

ベスト盤効果！ ★★★★☆

白状すると、見逃していた。原点回帰した前作『Sea Of Light』が大評判だった反動か、「このままの路線で行ってくれると思ったのに…」という声が多かった本作。「1曲目以外はバラードばかり」、など、巷の評価を見て、手を出さなかった…。

昨年、新録音ベスト『Celebration』を買い、Heep Classic に触れる機会があった。その中に、1つだけ知らない曲があった。「Between Two Worlds」である。Bernie Shaw、こんな高音まで出るの？！という劇的極まりない曲で、惚れた（笑）。検索してみると、何と『Sonic Origami (音の折紙)』の1曲目。「しまった！！」（by 金田一耕助）と、慌てて中古盤を探し回り、辛くも日本盤をGETしたという訳。思い切りハモンドを強調した『Celebration』のミックスに比べると、硬質の音作りだが、出来は見事。

「何で、聴いてくれなかった… 良い曲作ったのに！」と言いたかったんだろうなー。鮮やかなハイトーンは、あの、John Lawtonを思わせる。中盤のミディアム曲／バラードも、アメリカン・ロック寄りの佳曲揃い。歌メロが良いので「ポップ・ソング」として聴いた方がいい。ラストには8分を超す、久々の大作「The Golden Palace (黄金の宮殿)」も用意されている。「静」のパートもある、イギリスらしいアレンジだ。

これだけ1曲目が良いなら、シングルで勝負をかければ、展開は変わったかも。

ベテラン健在を示す好作 ★★★★☆

　オリジナル・アルバム通算２０作目の１曲目は、名曲「対自核／Look at　Youreself｣を彷彿させる素晴らしいスピード・チューンで幕を開ける。

　それ以降は、往年の神秘的な世界は影を潜め、AOR色の強いミドルテンポの曲が続き、やや緊張感を欠いているが、随所にいかにも彼ららしいシンフォニックな味付けがされており、８分以上の大作の１3曲目で、それが如実に表れている。
　演奏は安定しており、ベテランの健在ぶりが伝わってくる内容に仕上がっている。
　

未だ衰えない超ベテランバンド ★★★★★