毎晩寝る前に、1篇づつ読みました。
ささやかな楽しみになり、幸せな気分でした。
短編集ということで、どの作品も読み応えのある
ピリッとしたものばかりです。
作者もいろいろ勉強しながら楽しみながら書いたんだろうなあ。
どの作品にも、忘れられない人間が出てきます。
おもしろい人間というのはどこにでもいる。
蛇足ながら私の好みを言わせていただければ、
『猫鬼』が秀逸でしょう。
なんと言っても、主人公の沈沈(しんしん)が素敵。
思わず、彼の出てくるもうひとつの話、『風よ、万里を駈けよ』(田中芳樹著)を買って読んでしまったくらいです。
とは言いながら、豹にまたがり、悪を断つ、美女の物語もまた捨てがたい。
鬼神の如く強靭ながらついに、よい主君に恵まれず不遇に死んでいく無骨一辺倒の将軍のエピソードもまた読み応えあり、、、
ひょっこり人間に化ける山の主黒蛇もなんだか愛嬌があるし、、、
というわけで、どれも捨てがたい物語ばかり。
読んで絶対損はない。