初期の日本マンガを代表する一人である手塚治虫の作品の2巻目

ブラックジャックの2巻目は14作品が載っています。
さすがに絵柄は古いのですが、久しぶりに読み返してみて
すごい作品を生産していたのだなぁと感心します。

ブラックジャックについては、無免許ではあるが腕が立つそして
法外な料金を請求する（現在の貨幣価値でも法外です）という設定は
書かなくてもよく知っていると思います。
この巻では、なぜブラックジャックは顔に大きな傷があるのか、
そしてそれを何故直そうとしないのかをあつかった話が載っています。
その話も色々な伏線が入り交じり面白いのですが、今回発見したのは
シャチとブラックジャックの話の奥深さです。

いかんせん、古い作品なので、現在風のマンガに慣れた目には
古くさく映りかねないのですが、その奥に秘められたメッセージ
そして何とも不思議な読後感こそが、古さを感じさせないどころか
読むたびに発見がある不思議な作品です。
そして、古い作品の特徴でもある、性的描写や、暴力に
頼らない記述が子供からの読める内容になっています。　おすすめです。

　ブラックジャックに関しては深い尊敬と絶賛の念を抱いています。その医学的知識の精密さは、ど素人にはただただ無知ながらも、作者の凄まじい医学への情熱が込められていると思います。人間の体の複雑さと命の尊さをそれによって教えられます。またピノコの存在はこの作品を愛すべきものにしてくれます。彼女の小さな体と頭の良さ（通信教育の修了書をもらう話）も微笑ましい。またこの２巻目の最後の「座頭医師」に登場する琵琶丸という鍼師のキャラクターは、手塚漫画の魅力が溢れたものになっていると思います。少年漫画でしか出せない味ですね。

「おばあちゃん」の話では、甚大先生も
ブラックジャック先生のように法外な治
療費を支払うよう要求していましたが、
高額な料金を支払えば、それだけ直るよ
うな気がします。無料だと手抜きをされ
るようで任せていいのだろうかと疑問に
思いますが、料金さえ払えば、きちんと
みてくれるという感じがします。
やはり手術ですから無料というのは裏が

ありそうで怖いと思うのは私だけでしょ
うか？
（このあとのいきさつはかかれていませ
んが、きっとおばあちゃんはブラック
ジャック先生の手により完治していくこ
とだと思います）

「三者三様」では、肩書きよりも腕だと
いうことが警察官の態度でわかりますが、
それがわかっていても、日本は肩書きを
重視するんだろうな。

「地下壕にて」そのまま日本人・・・いや、
人間を再現したような話でした。

「友よいずこ」話とは関係ないのですが、
本間丈太郎先生が・・・１巻ではなくなっ
ていたのに話の道筋通りに並べてもらいた
かった。

「流れ作業」では、主治医をつけろという
のがいいたいんだと思います。やはり、自
分のこどもみたいにそっぽを向かないで手

を取り合ってくれる先生をみつけなければ、
病院にいって殺されて帰ってきてはあまり
にも、悲しいとしかいいようがない。

「助け合い」これの行動はデューク・東郷氏
の行動に似ていないだろうか？きっと同じ
事をしていそうだ。

全体的にＢ・Ｊ先生自体がデューク・東郷氏
に似ているといっても過言ではないかもしれ
ない。

自分の職業を誇りに思うからかもしれないし、
責任があるからかもしれない。
何事も好きでなければできないということかもしれない。

今読んでも古くないのが凄いです。
こんな話が毎週読めたなんて、凄かったんだなあと
あらためて、連載当時を思い出しました。
マンガの課題図書（なんてものがあれば）のひとつです。