ファーシーア一族が治める六公国。その王家の私生児として生まれた少年は、フィッツ(庶子)と呼ばれ育ってきた。祖父である王の命令で、暗殺者としての訓練を受けたフィッツは、公国のために影ながらがんばってきた。けれど、異母兄のリーガルに疎まれ、徐々に陰謀の渦にまきこまれていってしまう。
継ぎの王であるヴェリティの地位を、奪おうと企んでいるリーガル王子に、散々な目にあわされたフィッツ。弱りきった身体でようやく城へ帰り着いてみると、当のリーガルが大きな顔をして歩いている。そのことに苛立ちを募らせるけれど、どうしようも打つ手がない。
「赤い船団」の恐怖は広がる一方だし、ヴェリティの花嫁は王宮で孤立しているし、王サマの周囲に不穏な動きがあるし、フィッツに次々と問題がふりかかってきます。
この第二部では、陰謀の色合いが濃い物語りになっています。が、暗い感じはないです。それというのも、当のフィッツ自身が怒りながらもどこか飄々としているように見えるからかも。
幼馴染のモリーとの関係も気になる展開です。王に忠誠を誓っているので、自由な恋愛もできない、、、なんて言いつつ、想う気持ちは止められない~♪少年は恋をして、少し大人になったようです。
この物語の魅力の一つですが、動物の存在が重要視されています。犬だったり、馬だったり、狼だったり。動物を愛してやまない優しい心がじんわりと伝わってきました。