旅行のとき携帯すると面白いかもしれない。
★★★☆☆
福田氏の著書ははじめて読んだがそのあまりの博学ぶりに驚いた。本の構成は、ナポレオンを中心にした歴史や文化の記述と、福田氏一行の食事を中心にした紀行文を交互に織り込んでいる。
ただ、私がナポレオンについてほとんど知識がなく、エジプトにもイタリアにもいったことがないので、途中から正直飽きてきた(もちろんそのなかでも面白いものがあったが)。ナポレオン関連の本(福田氏が本の中で触れていた『パルムの僧院』あたりか)を1冊読んだら面白さが倍増するのではないかと思う。
また、エジプト、イタリア(スイス)、旅行のとき現地を回りながら読むと面白いかもしれない。もっとも、毎食福田氏一行のような食事は出来ないが。。。
冴えが薄れた
★★★☆☆
なかなかクセがありながらもおもしろく読めた前著『旅のあとさき ナポレオンの見た夢』が「いざ、エジプトへ!」で終わったのをうけての第2弾です。より以上を期待したのですが、いささか残念。体裁からして前著と違ってハードカバー。判も異なり、シリーズものとしての統一性はどうなっているのだろう、との思いを抱いてしまいます。
どうしても前著との比較になってしまいますが、内容的には、こじんまりとしてしまい、冴えがないように思いました。大きく掴んだ感じが好ましかった前著に対し、連載物という制約が感じられるところに由来するのかもしれません。ちょっと細切れ気味かなあ。もともとの週刊誌への連載期間は長いのに総頁数は減っているところからすると、紙数制限がマイナスに働いたのかもしれない、などとおせっかいな考えがアタマをよぎります。
博覧強記ぶりは変わらずとも、そこから放出されるエネルギー、つまりは読み手へのインパクトが薄いように思います。あまりに淡々とした叙述、事項羅列的と感じられるのですね。ただの旅行記に堕したかな、と。もしかしたら、フランスほどは得手でないのかもしれませんね。
「いざ、ロシアへ!」とラストに記しているところから、第3弾となる次著が発刊されるのでしょう。或いは、既に連載中なのかもしれませんが、復活に期待しましょう。