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新マーケットの魔術師―米トップトレーダーたちが語る成功の秘密 (ウィザード・ブックシリーズ)

価格: ¥3,024
カテゴリ: 単行本
ブランド: パンローリング
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   テーマの割にはスンナリ読める本だ。帯にもあるとおり「投資を極めた達人たちの珠玉のインタビュー集」なのだが、投資を抜きにしても楽しめる。著者の卓越した対話技術の賜物というべきなのか、投資のみならず人生に対する達人たちの「ポジション」(投資対象と投資額を示すこの言葉が、本書には頻繁に登場する)がかいま見えるからだ。

   自身も長年、投資の世界に身を置いてきた著者は、彼らのバックグラウンドや日常生活にも時折紙幅を費やす。たとえば、ベトナム戦争に従軍した当時の体験談がひとしきり続いたりする。達人たちの素顔はそれだけでも興味深いが、本筋とは無関係に見えるそれらが、実は彼らの投資哲学を根本的なところで支えていることに気づかされる仕組みだ。なかなかにドラマチックで、質の高いインタビューノンフィクションといえるだろう。

   もちろん実利的な読み方も可能で、投資技術の向上を目指すその道のプロや一般投資家にも大いなる示唆を与えるはず。スーパートレーダーとの対話の最後に、著者がそのパートの教訓を総括してくれているのでエッセンスがわかりやすい。おまけに最後は彼らの発言から抽出した42カ条からなる「金言集」までセットされている。専門用語の解説ページもあるなど、ずいぶん親切な構成だ。

   とはいえ、これを読めば大儲けできるかといえば、答えはおそらくノー。17人の達人の具体的な投資手法は、ことごとく違う。彼らに共通する「原則」を読み取ることは可能だが(それを試みたのがくだんの「金言集」)、そうなるとほとんど人生訓の世界になってしまい、日々の投資に即役立てるというわけにはいかない。それほどまでに投資の世界は奥が深いのであり、なればこそ努力なくして成功はあり得ないのである、と個人的には結論を出すことにした。

   もっとも、すでにそれなりのキャリアを積んだ達人予備軍なら、読後にわかに「解脱」したりするのかもしれないが…。(手代木 建)

トレードの失敗で自身を喪失した人にはお勧めです ★★★★★
ジャック・シュワッガー氏の第二弾。

第一章ではサダム・フセインが自分の人生を誤ってしまったことを例に出し、トレードとして検証しています。

第二章では通貨のトレーダーに焦点を絞り、第三章では先物取引のトレーダーを取り上げています。
一冊目の本で紹介されたリチャード・デニスのパートナー、ウィリアム・エックハートにもインタビューを行っています。またタートルズに対するインタビューの様子もありますが、これはほとんど面白いくらい役には立ちません。多くの方がご存じの通り、タートルズはインタビュー当時は秘密主義が徹底されていたからです。

第四章ではソロスの下で働いたスタンレー・ドラッケンミラーも登場。

第五章ではマルチマーケットプレーヤーに焦点を当て、第六章ではCRT や元ギャンブラーのブレアー・ハルなどもインタビューに応じています。

第七章では一冊目と同様に心理学に焦点を当てています。

そして第八章ではまとめとして金言集42カ条をあげています。

特にトレードに失敗し、自信を喪失するような機会があった時に読み返すと本当に心に響くものがあります。
もちろんそういう経験は少ないほうがいいのですが、もし自信喪失している方があれば、一度相場を休んで読んでみると何かヒントになるものがあると思います。
トレードで勝つ人の『心の状態』は共通している ★★★★★
オリジナルは1992年リリース。邦訳は1999年3月27日リリース。前著に続く、というかそれ以上に内容の濃い一冊である。濃くなった原因はシュワッガー氏自身のインタビュアとしての能力アップもさることながら、単に市場と投資ということだけでなく、前著の最終章の『トレードの心理学』の部分をより掘り下げたからだと思う。

この本は最後に行けば行くほど市場と投資というものから離れ、ギャンブラー心理や神経医学者R・D・ラングの言葉も引用される心と体の問題、最後には睡眠療法にまで到達する。しかしながら最も興味深いのはこの後半部分で、トレードをし続けることにおける心の重要性を感じずにはいられない。つまり、トレードで勝つ人の『心の状態』は共通している、ということが言えそうだ。

そういった全ての事柄を集約した第八章クロージング・ベルは最も興味深い。この本はいつもの読書スピードの半分のスピードで詳細かつ行き来しながら読了したが何度も読み返すことになりそうだ。名著とはそういうものなのだろう。
トレードと精神 ★★★★☆
投資、というよりは、トレード(取引)を成功させるための心構えが述べられています。前著と同じく、成功したトレーダー達と筆者とのインタビュー形式です。若干、前著より読みやすい気がします。それは、本書では「精神論」によりスポットが当たっているせいかもしれません。あいかわらず、ボリュームたっぷりの本です。
本書を読めば、前著から読者が受けるであろう印象がいっそう強化されると思います。ラストのところで、著者なりの「まとめ」があり、ここを先に読むという読み方でもいいかもしれません。
何度も読み返す本の1つ ★★★★★
 魔術師達も、最初はただの素人トレーダーだった。でも規律あるトレードによって魔術師と呼ばれるトレーダーになっていった。規律こそ全て・・・
 損切りを躊躇しそうな時、勇気づけられます。全ての投資家、トレーダーに読んでほしい本です。
「言ってみれば、君は損をしなければトレードを止められない、そういうことかな?」 ★★★★★
もし、十代か二十代にこの本を読んでいたら間違いなく放り出していたはず。具体的な金儲けの仕方、銘
柄選択の方法や手仕舞いのタイミング、トレードで成功する方法、値上がりする株を探すなどの方法、サイ
ンを教えてくれることを期待して読み、そういったことが書かれていないことに失望し、かなり不満に感じたことは
間違いない。しかし今この齢になって、ソフトウェア開発ではワインバーグを、自己啓発ではデール・カーネギー
を読んで感銘を受けるようになった今だからこそこの本への評価は高くなる。
この本は、シュワッガーがトレードに失敗し、エド・スィコータと会ったとき彼から痛烈な一撃を喰らうところから
話が始まる。そして、再びウィザードたちにインタビューを行い、果てはNLPや催眠療法を利用したトレー
ド改善にまで及ぶ。
シュワッガーがインタビューした人たちは、それぞれキャラクターや手法もかなり様々だが、彼はそこから共通
の教訓を引き出す、「自分の個性と細部まで合致したトレード方法を見つけ出すこと」と。