新潮文庫から田辺貞之助氏訳で出版（かなり昔に）されていましたが、新潮文庫で再版される予定はなさ
そうだったので（ラクロもそうだけど売れないからかなぁ）、こういうかたちで新訳として岩波から出版されたのは慶
賀すべきことですね。
江戸川乱歩が名前を貸した本邦初訳本では「女怪」というあんまりなタイトルでしたが、主人公のダルベール
が、モーパン嬢=テオドールをキマイラとかスフィンクスといった怪物に喩えていたから"怪"という文字を使ったんで
しょうね。けど、本意は"怪物"というより"謎"をあらわすものとしての喩えなんだけどなぁ。