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通天閣 (ちくま文庫)

価格: ¥609
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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最初がツライ ★★★☆☆
最初、つまらん・・・と思って読むの途中で辞めたくなりました。
(西加奈子の作品ではこういう現象がよく起こります)

工場で働く、独身の40歳代のオッサンと、
同棲してた恋人に捨てられて(置いてかれた?)、
スナックで働く20代後半の女の話。

どっちも人生にやる気ナシ。
中盤まで、つられて自分までやさぐれた気持ちになります。

ふたりの話が交互に来るので、
このふたりはなんかしらの繋がりがあるはずだ〜
いつ繋がるんだ〜
と思いながら読んでました。

途中から生きる意味を見出し・・・というよりは、
ふたりの視界が開けてきたあたりから面白くなる。

オッサンの働く工場の新入りが駆け出すシーンとか、
あたしまで血が騒ぎました。
でもその後とんでもないオチが(笑

女がスナックの人間の一言で泣くシーンでは、
女と一緒に泣きそうになり、
電車の中で涙をこらえました。

そして最後の最後で・・・

大爆笑。(を、電車の中なので我慢した)

まさかそうくるとはー。
いや、ないわー叫ばないわ、あんなことー。

脇キャラだと完全に思っていた人が、
意外といい味出してくる作品です。
誰一人、読み逃してほしくない。
まさかオマエがキーマンか!ってなるから。

読み始めは相当ツライものがありますが、
読み終わりはスッキリします。
え、それで終わりなの?と思うかもしれないけど、
そこで終わるのが西加奈子な気もする。
どうでもよくなくもない人生達 ★★★★★
大阪人は絶対読むべき。
大阪人以外の人も、楽しめる物語。

こんな俺でも、また明日も同じでも、
まわりの人を大切に、しっかり生きていこうと思いました。

西さんありがとう。
もの悲しくも笑わせてくれる浪速の小説 ★★★★★
西加奈子という作家の小説を初めて読んだのですが、なかなか面白い。

通天閣周辺にすむ中年男と若い女性の2人。2人の接点は何もないと思っていたのが、最後には意外な接点が。

最後の顛末は漫画のように笑えました。大阪好きには一度は読んでもらい小説。一気に読めてしまいました。
この作者は大阪を代表する大作家になる ★★★★★
さくらを読んだときは、退屈でとちゅうでやめてしまった。
しかし、この作品は違った。おそろしく達者な筆で人生の、大阪の街で生きる人々の悲哀を描ききっている。
登場するのは東京のマスコミに刷り込まれたような典型的な大阪人だが、これが通天閣、新世界界隈となるとまったく違和感がない。
そして上辺だけを見ればどうしようもない人々だが、心の中には人それぞれの悲哀、愛情、感慨、思い出を抱いて生きているということを作者は、澄んだ目で見つめ、見事に描ききった。
この人は第二の田辺聖子になるのではないだろうか。
近い将来、必ずや大きな物語りを書くだろう。
独特の世界 ★★★★☆
他の方も書かれているように、中盤から目が話せなくなります。
序盤は、なんじゃこりゃと言って放り出したくなるようなつまらなさ。
なぜかというと。あまりにマクロ。出来損ないの小説のようです。
ただ、途中から、登場人物に動きが出てきて、
読み進められます。
最後は、「愛してる」と叫ばれる棟の上の「ダマー」と同様、
ちょっと感動的です。
なかなかいい小説でした。