センスが良い。
★★★★★
「秘密結社」という言葉を聞いて、知的好奇心をくすぐられる人はとても
多いのではないだろうか。
本書は、「秘密結社」という興味深い題材を扱った本が日本ではほとんど
無いために、その方面に興味を持つ人の好奇心をなるべく満足させることを目的として書かれたものであるらしい。
初版が出版されたのは今から40年以上も前のことだが、現在でも類似のテーマを
扱ったものは少なく、かなり貴重な本であることは疑いようがない。
本書のどの部分を読んでも面白いのは、『秘密結社の手帖』というタイトルに惹かれて本書を
選んだ読者がどのようなことに興味を持つのかを、著者が完全に熟知しているからだろう。
「秘密結社」に大きな興味を持っているのは誰より著者自身であり、そのような人間にしか持ち得ないセンスが至る所に散りばめられている。
読まなくても損をする内容ではないが、読めば間違いなく面白い。そんな一冊。