捕らえられた麻薬王ヤン将軍奪回のため、武装集団がタイ最北部の小さな村を襲撃。村人を人質に政府に将軍の釈放を求めたのだ。そんな村にたまたま慰問で訪れていた、テコンドーやサッカーなどの国内の一流スポーツ選手と刑事デューが立ち向かうことに。
なんともご都合主義的な物語ではあるが、正直、物語なんてどうでも良い姿勢が最初から見え見え。スタントマンや実際のアスリートたちが見せる技がとにかくハンパじゃなくスゴイのだ。冒頭の走るトラックの荷台上でのアクション(ひとり落ちて後輪に頭が轢かれそうになったのには一瞬冷や汗)しかり、火のついた薪をぶん回しての肉弾戦、手榴弾をキックではじきかえすなどの見せ場のてんこもりに脳内アドレナリンは全開。胸の空くようなアクションを見たい人にはうってつけの作品だ。(横森文)
七人のマッハ
★★★★☆
2006年頃に見た「マッハ」の新作です。
ワイヤー・CG・早回しなどを利用しないアクションですが、CG合成に関しては、CG合成の定義によっては、合成しているような気がしないでもありませんが、いずれにしても体技のレベルは素晴らしい。ハリウッドのアクションと比べると、随分とレベルが高いです。
本作は前作の上でつながりがあるわけではなく、まったく別のストーリーを持っている。タイ王国の国技ムエタイにこだわらず、新体操・ラグビー・新体操・体操・テコンドー・サッカー・セパタクローなどのスポーツを上手に演出したアクションが特徴的だった。
七人のマッハの七人は、「七人の侍」「荒野の七人」からの影響だったのだろうか、なんとなくロケーション的には似ていた。しかし、本編のイントロダクションでは、どう考えてもジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」のようなアクションが展開されていて、「本命はそっちか?」などとおもいました。
邦題が「七人」なだけで、英語だと「born to fight」だったりするので、この際「七人」は忘れても良いのかと思う。だってご老体が素晴らしい体技を疲労したり、片足を失った青年が、果敢に足技を疲労するとか、7人以外にも活躍するキャラクターはいた。
90分強の中で、序盤ややだれる箇所があったが、後半に入ると、基本的にノンストップ・アクション。かなりシンプルで良い映画だと感じました。
タイ王国は現在とても政治や経済的に不安定なところがあり、周辺諸国との間でも不穏な動きがないわけではない。そういう緊張の中にある国です。その歴史の中でやはり映画のように、テロリストによるホロコーストだったり虐殺だったりが少なからずあるのだと思います。
村人たちが心を振るわせたのは、国家であり、サッカー選手が守ったのは、タイ国旗であり、そういう人間として自然にあふれ出る愛国的な情緒に私は、少なからず感動を覚えました。
映像や編集のことはあまり分からないので、技術的な完成度は分かりませんけど、私としては、こういう作品はシンプルで人間にとって大切な根源的なものを見せてくれるとおもいます。
危険極まりない壮絶なアクション!!!
★★★★☆
のっけから、ジャッキー・チェンのポリスストーリーと
ジョン・ウーとチョウ・ユンファの影響ベタベタな(笑)アクションから始まる本作。
明らかに香港映画界に対する挑発としか思えませんが(^^;)
2台の大型トレーラー上でのスタントは本当にスゴイです!!
その後とある村を大規模なテロリスト集団に乗っ取られて
罪の無い村人達が次々に殺されていきます(>_<;)
村にチャリティー活動のために慰問に来ていた7人のアスリート達が
テロリスト達を相手に立ち上がるというのが本作のメインとなる内容です。
盗まれた仏像を取り返しにいく話と違って(爆)スケールがデカイです!
「マッハ!!!!!!!!」のトニー・ジャーにはカリスマ性では一歩及ばないものの(失礼w)
ムエタイアクションで敵をバタバタと蹴り倒していく主人公!
その主人公の妹であるテコンドーの達人に、
タックルで敵を倒すラグビー選手に(存在感は7人の中では薄いですが・・・)
なぜかそこかしこに都合よく置かれてある(苦笑)サッカーボールを武器に
離れた敵を確実に仕留めるサッカー選手に、
非常にアクロバティックな動きで敵を翻弄する新体操選手などなど!!
しかも演じているのは全員本物のスポーツ選手というのが驚きです(゜、゜;)
マジで片脚の無い(!!)松葉杖の村人も華麗なキックで戦うし、
子役も演技のみならずアクションも頑張ってます!!
テレビCMなどがコメディアクションみたいな宣伝の仕方なのが不愉快なのと、
テロリストに虐げられる前半部分が長すぎて観てて苦痛だったので星は1つ減らしました。
しかしアクションシーンは本当に凄いので、一度は観ることをおススメします!
タイ国歌が人を奮い立たせる。
★★★★★
現実社会においては、この映画以上に残虐な行為がテロリストたちにより為されてきた事を考えた時、もしこの映画の様なか弱き村民による一致団結が行われ、且つ、面白い様にテロリストどもを薙倒すことが出来たならどんなに爽快だろう。例えばウサーマ・ビン=ラーディンが、サッカーボールを顔面に喰らい、ヨレヨレになっているところを、さらに父親を銃殺された少女のとび蹴りを受け、最期は、これも父親を銃殺された息子によってバズーカの弾を受け、木っ端微塵となったら今まで犠牲になった人々、遺族はもとよりテロに怯える我々にとってもどれほど痛快だろうか。悲しみ、怒り、そして絶望が、途轍もないパワーとなりテロリスト達に立ち向かう様は、圧巻である。
大昔ならともかくいい加減こういう邦題を付けるのはやめるべきだろう
★★★★☆
本作は原題が(born to fight)で邦題にマッハが付いていますがマッハとは関係ありません。
制作スタッフの多くが同じってだけです。
(だいたいマッハも原題は(ong bak)であり、マッハと名付ける意味すら無いのですが)
おそらく冷え切っている映画業界にあって、
成功した映画のネームバリューを借りないと人も呼べないだろうと踏んでのことでしょうが、
不誠実に過ぎませんか?製作者にとっても観客に取っても。
コメディかと思いきや
★★★★☆
暑苦しいぐらいに大真面目なんですね、これが。
テロリスト相手に民間人の群集が決起するという、ストーリーなど知ったことか、小細工一切なしの超ど真ん中ストレート。
CGに一切頼らない愚直なまでの体育会系チープさがここまでくるともう壮観。
アクションシーンで魅せつつ、しかも戦闘の端々に小さなドラマを仕掛けていく演出もなかなか巧妙。
「平和を愛するが争いを恐れない」
タイの国歌らしいですが、なかなか考えさせられますね。右寄りの作りなので日本では受けないでしょうけど。