人間国宝!
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ジェフ・ベックはエレクトリック・ギター界の大山倍達であり、人間技を超えたテクニックはもとより、山に籠もって修行(実は車いじり)をする姿なども重なります。そのベックが久々に山から降りてきて披露した快作。 この時期は恐らく気力も体力も充実していたのでしょう。アルバムのリリース後に行った来日公演(確か横浜アリーナ)にも行きましたが、何回となく足を運んでいる彼のライブの中でもベストと云える出来でした。 このアルバムが成功したのはテリー・ポジオの起用も大きかったのではないでしょうか。手数は少ないが重量級のリズムに支えられたおかげでベックのギターに自由度が増したのだと思います。 ポジオと比べるとサイモン・フィリップスは手数の多い軽量級。ベックのサウンドを神経質な印象に仕上げしまっていました。 なお、この快作をリリースしてお金が入ったためか、ベック先生は再びまた山に籠もることになってしまいました。
研ぎ澄まされた! ギターインスト大名盤!!!
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1989年、Jeff Beckのアルバムです。
前作「Flash」は、「歌もの」と「ダンス・ビート」が目立って、何かと不評をよく耳にするのですが。。。
この「Guitar Shop」では、「全曲・インスト」になっています。
大きな変更点として、今までは、Jazz / Fusionテイストのインストが多かったのに対し、
この「Guitar Shop」は、Rockテイストのギターインストになっています。
Jeffのギターは、まぎれもなくRockなギタープレイです。
芯のある太いギタートーン & ワイルドなプレイで、ガッチンガッチン演奏する様は、
ギターショップというよりも、むしろ、自動車の整備工場を想起させられます。(tr. 1,2,6 etc)
また、前作から取り入れたフィンガーピッキングが、より研ぎ澄まされています。
特に、フィンガーピッキング、ハーモニクス、アーミングを織り交ぜて演奏される"Where were You"は、
個性的とか孤高とかの領域を超えた、「Jeff Beck、入神のプレイ」です。
演奏は、
Jeff Beck (G), Terry Bozzio (Dr), Tony Hymas (Key) の3人です。(Bは、Tony Hymasのシンベ)
ちょっと機械的な印象がありますが、
「Flash」でのダンスビート、このアルバム、「Who Else!」でのテクノビートという流れで捉えると、違和感はありません。
ちなみに、このアルバムは、日本ではオリコン9位獲得、アメリカではGrammy受賞です。
「Jeff Beckファン」なら、避けて通れないマストなアルバムです。
近年のJeffを知るという意味では、「Jeff Beck初心者」にもオススメです。
テリー・ボジオ、トニー・ハイマスと組んだスーパー・トリオによる作品
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89年発表。前作の歌もの中心のアルバムから一転して、オール・インストのギター・アルバムに戻った作品だが、フュージョン時代とは一線を画したまた違った味わいを持つ仕上がりであり、これはこれで最高傑作と呼びたい名盤である。ザッパ時代はほとんど2人で『ズート・アリューズ』を作り上げ、U.K.時代はトリオでプログレの終演を締めくくった『デンジャー・マネー』を作り上げたテリー・ボジオ(dr)、比較的地味だが、手堅い仕事をこなし個性の強い他の二人の接着剤的な役割を果たすトニー・ハイマス(k) の3人で作り上げた入魂の作品。イメージだけでも非常に華々しく、ベースレスのトリオ編成で無駄な音を一切排除した演奏はスリリングで刺激的である。名義もギター・ショップというグループとボジオ、ハイマスの連名となっており、明らかに従来のアルバムとは違う位置付けになっている。内容も前作にあった80年代的な軽さは姿を消し、以降の作品にも顕著になる90年代風テクノ的なアプローチも目立つ。すなわち現代までのベックの青写真的な要素も含みつつ、ある意味でキャリア最高とも言える作品をここで完成したわけである。彼は以降、趣味的なロカビリー・アルバムを除いて99年までの10年間、ソロを発表しなかったが、それも頷けるほどやりたいことを全て詰め込んだかのようなバラエティの豊かさも持っている。この時点でのベックの限界とも言える名盤であり、多くの人たちの期待通りの仕上がりだと思う。(レゲエやロカビリーっぽい曲も含むが・・・) ただしこの作品ですらベックとしては通過点に過ぎなかったわけであり、彼の求道心はロック界でもダントツのものだろう。5.のテルミンのようなギターもおもしろい。
聞きやすい音
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3人でやっているとは思えない音がスゴくよいです。
はやりリズム隊がすばらしいからこそ、こういったアルバムが生まれたのだと思います。
ジェフらしさが戻ってきたアルバム
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前作“Flash”ではポップ色を加え、旧友ロッド・スチュワートや自らのボーカルを
導入するなどしてはみたものの、いつも我が道を行くジェフ・ベックの作品としては
誰もが肩透かしをくらった様な内容でした。
その4年後(1989年)に発売されたこのアルバムでは、随所にジェフらしさが散りばめられており、
タイトル名同様の内容で、当時とてもうれしかった記憶が今も蘇ります。
背筋がゾクゾクするようなトリッキーなフレーズの洪水のような冒頭の“Guitar Shop”から
ハイテンポな“Sling Shot”まで、実に繊細かつスリリングな展開が繰り広げられています。
過去のどの作品においてもドラマーの起用には驚かされましたが、
今回もテリー・ポジオがとても良い仕事をしていると思います。
このアルバムでは効果音的に「ボーカル」が数曲で導入されていますが、
やはりジェフにはボーカルレスのギター(インスト)アルバムが似合います。