なぜ堅苦しさを脱してるかというに、手が届きにくそうな哲学者を筆者が
再構成して読者に提示しているからです。カターイ哲学者をそのまま「ハ
イ、どうぞ」というわけではなく、いったんド・ボトンさんが料理してく
れているわけです。引用も言葉をやさしくしてありますし、翻訳も工夫を
凝らしてあるのです。エピクロス、セネカ、モンテーニュなどの哲学者が
身近に感じられるようになるのは間違いないです。写真や絵も豊富で、愉
快です。
6つの章で取り上げられている問題=悩みは、いつの時代にも人間に普遍
的なものばかりなのでしょう。哲学は、そんな「悩み」に取り組む助けを
提供してくれる、ゆえに、実践的なものなんだ、と著者は言っているので
す。著者は小説も書くそうですが、流石ですね、面白いです。別の本も読
みたくなりました。
困難へのなぐさめ(ニーチェ)
英国ではベストセラーとのことですが、わかり易い部分と、私の英語力では理解できない部分が結構ありました。邦訳も出ていますので、図書館で借りて、読みなおしてみたいと思っています。