このブレンドされた音楽の感覚は、我々聴いている方としても予測のつかない面白さがあります。1「Hum a Tune」でいきなりエスニックな音色から入るロックが鳴り、2ではブラジル音楽のトロピカルさです。更に4「青空のむこうから」では中東の弦楽器ウードが用いられるのですから。従来のOLに対する固定観念を取り払うことで音楽に出来る領域が増し、自由を獲得していますね。かつてソウルやジャズでみせたストイックさから、積極的に世界観が広がったようです。
象徴的なのは3「ガンボ・チャンプルー・ヌードル」。沖縄の三線から始まり“トーキョー、オキナワ、ニューオーリンズ”と歌われる精神は無国籍料理のような今作を表します。尚大ヒット曲9には全く影響なく、シングルと比べ、ストリングスがない等全体的に音がスリムです。でもその美しい陶酔感は変わりません。