前振りが、とても長い。しかも、主人公が誰なのかわからない。主人公の行動を描写するまでに、金融経済の解説が続く。ここで、力尽きた読者もいるかもしれない。そこを過ぎて、ハードボイルド小説が始まる香港のシーン。主人公が語り出し、それが誰なのかがわかってくる。序盤の部分は、もっと軽くていいのでは。

ハードボイルド経済小説とあり、もっと無骨で荒削りの内容を想像していたが、実際は繊細な描写とスピード感あふれるストーリー展開で、ずるずると引き込まれて行きアッと言う間に読み終わった。電子メディアの記者なる人々によるスクープ合戦、駆け引き、それに誰もが「公金」の使われ方に敏感になっている今日、横浜市長が公金をヘッジファンドで運用？！とは、まさに斬新でタイムリーな発想である。数多くの経済書の翻訳を手がける作者ならではの説得力の作品であった。 複雑な人間関係の背後に描かれる横浜や香港の異国情緒あふれる街の空気が新鮮に伝わってくる。どんでん返しの最後にも圧倒された。

ハードボイルド経済小説とあり、もっと無骨で荒削りの内容を想像していたが、実際は繊細な描写とスピード感あふれるストーリー展開で、ずるずると引き込まれて行きアッと言う間に読み終わった。電子メディアの記者なる人々によるスクープ合戦、駆け引き、それに誰もが「公金」の使われ方に敏感になっている今日、横浜市長が公金をヘッジファンドで運用？！とは、まさに斬新でタイムリーな発想である。数多くの経済書の翻訳を手がける作者ならではの説得力の作品であった。 複雑な人間関係の背後に描かれる横浜や香港の異国情緒あふれる街の空気が新鮮に伝わってくる。どんでん返しの最後にも圧倒された。