プルースト入門
★★★★☆
マルセル・プルーストに興味はあるが『失われた時を求めて』を読む気力はないという人にはおすすめ。人々が常日頃感じる疑問や問題、苦悩について、その解決案を、プルーストの作品や思想の中に見出そうとする一冊。文学にはなんの価値があるか、型にはまった表現がなぜ問題か、読書にはどこまで頼っていいかなど、その問題提起も興味深い。プルースト入門としてはもちろん、プルーストには全く関心がない人でも一つの読み物として楽しめるのではないだろうか。ただし英語は格調が高く文学的で、アカデミックな語学力を持たない人には少し厳しいかもしれない。