「とりたいなあ とりたいなあ かさぶた とりたいなあ」。彼の本が人気なのはこういうところ。子どもの気持ちをズバリ言い当て、そうそう、そうなんだよ、でもね、と入る。無理にかさぶたをはがしてはいけない理由、かさぶたは「血」なのか、「紙」なのか、それとも「傷のうんこ」なのか。一体なにもので、どんな仕事をしているのか、わかりやすく、おもしろく教えてくれる。手書きの文字も絵もシンプルで、独特の味わい。どんな医学書もかなわない、子どものための体の実用書だ。
ある年齢になったら、体の管理は自分の責任。ちょっとくらいケガをしても、かさぶたくんががんばってバイキンと戦ってくれる。ワンパクな毎日を楽しみ、自分の体を好きになり、大事にするきっかけになったら、かさぶたくんも大満足。(平山イソラ)