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獣と肉 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 早川書房
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そろそろ中村俊輔が出てこないかな ★★★★☆
このところ立て続けにリーバス警部のシリーズが読めるのはとても嬉しい。相変わらずリーバスはエジンバラの町を縦横無尽に動き回り、あらゆる事件に頭を突っ込み、イヤな顔をされたり、恫喝されたり、嫌味を言われたりするのだが、ぜんぜん気にせず働きまわる。かつて所轄のしがらみで捜査を止められたり、処分されたりしたのがウソのようだ。どうやら彼には治外法権が与えられたようだ。
今回は今ヨーロッパで大きな問題となっている海外からの移民、難民の問題がクローズアップされているが、イアン・ランキンはここら辺がとてもうまい。そして実にいろいろな人物が登場し、いろいろな伏線が張られまくるが、終盤に一気に収束させる筆さばきは鮮やかの一語に尽きる。
その中でエジンバラの風情を描き、リーバスの境遇を描き、相棒のシボーンとの恋のさや当てを描く‥ほんとうにテンコ盛りの内容だ。初めてこのシリーズを読む人にはかなりエネルギーが必要になるのではないだろうか。
このシリーズは同じ設定ながら、作品によってかなり雰囲気に差が感じられる。最近読むリーバスはかなりハイテンションだ。僕は以前のちょっと陰うつな感じの彼も好きなのだが‥
ついでながら、ここ3作に用いられている、劇画調のカバーイラストにもちょっと馴染めない。やっぱりハヤカワ・ミステリ版じゃないとね〜