司馬遼太郎の日本史探訪を読んで
★★★★☆
日本史に大きな影響を与えた13人の人物について、前後の歴史的背景を踏まえ著者が独自の見解を述べています。特に、それぞれの人物の行動の動機への考察は彼ならではの推測が入っていて興味深いです。どうしても歴史上の人物に関してはステレオタイプな人物像を抱いてしまうので、本書は日本史の見方を多面的なものにしてくれます。個人的にはシーボルトについての記述が楽しめました。本書に登場する人物で一人でも興味のある人物がいれば読んでみてはいかがでしょうか。
楽しめるけど散漫で掘り下げ不足かな?
★★★☆☆
日本史上のヒーロー達、源義経から坂本竜馬まで13テーマについて、個々に語られた作品。テレビ番組を再構成したものらしいので、しょうがないとは思うんだけど、文章としてきっちり構築された作品というより、ある人物をテーマにした著者「談」という感じ。その分、とっつきやすいですけどね。僕はこの著者が豊富な歴史知識を元に、特定の人物の時代における座標を言い切ってしまったり、文献などからその人物の人間味を感じられるような妙に具体的な想像を巡らしたり、という芸風が好きなので、その部分は楽しめました。
なつかしの探訪集です。
★★★★★
これは、かつてNHKが放送していた「日本史探訪」を冊子にまとめたものです。昭和45年から昭和50年までを集めたものですが、NHKの大河ドラマから振り返ると、「竜馬がゆく」が終了して「国盗り物語」が放映されていた時期に当たります。司馬さんが一人で語っておられたり、対談形式のものもあるのですが、その説ごとに当時の状況を説明してありますので、、歴史のひも解きにはわかりやすい感じです。テレビでは、映像を追いながら説明が加えられていたものと思います。対談の相手には、海音寺潮五郎さんや松本清張さんなどが登場されていますし、構成ではかつてのNHKの名アナウンサー鈴木健次さんの名前も見ることができます。当時、この番組を楽しみにしていたことを懐かしく思い出すとともに、時代の流れを感じさせる書です。
うーん・・・
★★★☆☆
日本の歴史上でむかえた、重要なポイントや人物について司馬遼太郎と毎回変わるゲストとの対談形式のような構成である。
司馬遼太郎の歴史の知識は誰しも認めるものだから、内容としては非常に濃いもののように思える。しかし、対談相手の経歴等が非常に説明不足で、自分の価値観をダラダラ話しているという印象を受ける場面が多かった。これは、出版社側の構成ミスのようにも思えるが…なぜこの対談が行われているとか、ゲストの紹介とかそういったことが非常に手薄である。