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新選組血風録 (角川文庫)

価格: ¥860
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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 『竜馬がゆく』『燃えよ剣』の2作の長編小説が立て続けに発表された1962年(昭和37年)は、司馬遼太郎の目が「幕末」という動乱に向いていた年である。同年5月に連載が始まった本書は、その先駆けとなった作品だ。斎藤一、加納惣三郎、井上源三郎、沖田総司などの新選組隊士たちの生き様15編を、抑制の効いた筆致で描ききった連作短編集である。そこには、司馬が追い求めた「漢(おとこ)」の姿が息づいている。

   生きては戻れぬ死闘を前にしながら、ひょうひょうと振舞う篠原泰之進。好きな女のために新選組にもぐりこみ、惨殺される深町新作。池田屋事変で一番の活躍をしながらも、その運命にもてあそばれているような寂しさを漂わせる山崎蒸。武芸で身を立てることに戸惑いながらも、敵方にひとりで切り込んでいく長坂小十郎。時代に逆らって生きる個性豊かな隊士たちは、いずれも無骨で、真っ直ぐで、さわやかだ。

   なかでも、「沖田総司の恋」「菊一文字」で、沖田への不器用な心配りを見せる近藤勇と土方歳三の姿が印象深い。「総司のことになると目が曇る」近藤と土方の姿を、おかしみさえ滲ませながら人間臭く描くことで、司馬は、激しい風雲に飲み込まれざるをえなかった者たちの悲劇をいっそう際立たせている。新選組という「類のない異様な」集団を多角的な視座を用いてとらえた本書は、1個人の人生から、歴史の壮大なうねりを照らす司馬の持ち味が、いかんなく発揮された傑作である。(中島正敏)

新撰組群像劇 ★★★★★
新撰組を題材にした小説では一番好きな作品。

近藤勇、土方歳三、沖田総司、他の隊長陣を題材にした小説はたくさんありますが
一般隊士までフォローした作品は今でも少ないのではないのかな?
オムニバス作品集なのですが、第三者視点を決して崩さず
同情の余地のある人物の死も淡々と描写している。
かといって、人物描写は決して浅くなく、
状況に巻き込まれた人物の喜び嘆き苦しみ絶望が淡々とした筆致なのに想像できるから
まことに「恐るべき司馬遼太郎!!」との感慨を抱く。

土方、沖田の人生はそれ自体詩であり、その重さからあまり小説では読まない私も
この作品だけは座右の銘だった時代がありました。
今読み直しても、本当に引き込まれて面白い。
感傷的に描かれることの多い沖田君もこの小説では人きりの片鱗を見せ
熱血に描かれる事が多い土方くんも組織のトップとして冷徹な姿で描かれている。

単独で読んでも十分面白い作品。
人生の皮肉と歓喜を味わいたい方も是非お勧め。
結構教訓が盛られているのです。
新たな新撰組 ★★★★☆
各話ごとに異なる実在と架空の隊士が主人公となり、主に土方歳三と沖田総司がストーリーの主要登場人物となり構成されている。

あくまでも小説であり、事実とは異なる点も多々あるが迫力があり内容も充実していると思う。
「倒幕派」読者なので・・・ ★★★☆☆
 幕末に「倒幕派」と「佐幕派」があったように、読者のほうにも「倒幕派」「佐幕派」がある。
 自分は「倒幕派」なので、「佐幕派」の象徴である新撰組の話に入り込みにくいところがあったので星3個にした。
 どちらかと低評価だと思われるかもしれないが決してそうではない。とても面白い作品だった。

 個人的に好きな話は「鴨川銭取橋」「槍は宝蔵院流」「四斤山砲」。
 ざっとレビューを見たところだとこの三篇を評価している人はあまりいないようだが、自分はこれらが一番勉強になった。
 
 この三話の主となった三人に共通しているのが「虎の威を借る狐」になっていたところ。
 「人間やはり謙虚に生きなければいけないな」「小さな権威確保のために政治をしてはいけないな」と思わされた。

 読んでいない人はぜひ読んでもらいたい。
 「燃えよ剣」などの新鮮組関連小説をさらに面白くしてくれるだろう。
とりあえず、読め! ★★★★★
・・・と言いたい。
司馬遼太郎の新撰組本は、「燃えよ剣」と本作だけだ。

両方とも新撰組ファンならば、絶対読んで欲しい!
司馬遼太郎は、筆の進め方が、長編と短編では違いがある。

長編などでは、割とページの余裕があるためか、史実などの余談を挟む傾向がある。
「竜馬がゆく」でも、よく、(以下、余談であるが・・・)などの描写が出てくる。

しかし、短編では、そういった表現は無く、竹を割ったかのように、バッサバッサと快活に描いている。
勿論、じっくり読みたいときもあるから、長編の描き方も好きだが、こういう短編の描き方も大好きだ。

とにかく、読んでいて気分が良い。
そんな作家は、僕の中では、司馬遼太郎だけだ。

これが駄目なら、他はありえないだろう。
短編集 ★★★★☆
燃えよ剣で書ききれないか、こちらが先で、まとめたものが燃えよ剣なのかはわかりませんが、燃えよ剣よりも新撰組の理解がふかまるような気がします。