役者揃いの新選組の中でも、鬼の副長は

とても魅力的です。

この本を読んで以外だったのは

（事実だとしたら）夜這いとか普通に

あったんですねぇ。

下巻も是非読もうと思います。

この本を読む前は、新撰組にも司馬遼太郎さんにも興味がなかったのですが、幕末の偉人や司馬さんの小説にはまってしまいました。土方さんとっても格好良かったです。言い方は変かもしれませんが、少年漫画的な面白さがありました。この本の中の土方さんが「飲んでも、天下国家を論ぜぬところがおもしろい」と言われる人だからでしょうか。近藤さんを最後まで支えたからとか、最後まで戦ったからとか色々思いますが、北征以降は戦死する瞬間まで、自分の人生を演出したかのような格好よさでした。

司馬遼太郎の作品はいつもそうだが、最初の数行を読み始めただけで、その風景が目に浮かび、登場人物の息遣いが伝わってくるのが不思議だ。だからすぐに物語に引き込まれて、その展開を追っていく。

主人公は新撰組の土方歳三。彼の生き方を通じて時代がよく見えてくる。幕末当時の江戸や京の様子、いきり立つ尊王攘夷の嵐、徳川３００年の平安に慣れきった幕府の弛緩等々。今、NHK大河ドラマで坂本竜馬が大人気だが、丁度時代が重なっている。そして、幕末の混乱をかげ上がるのは同じだが、新撰組にすれば、坂本竜馬は敵であり、二人の立場は全く逆である。誰の目から見るかで時代の解釈が大きく異なるのが面白い。

本作品はあくまで、のちに明治維新へとつながる「勤王」の立場を正しい流れと見なし、
それに組みさない人を腑抜けや政治に関心を持たない人であるかのように描きます。
ちょうど学生運動が盛んな頃に、左翼に与しない人を「ノンポリ」と蔑んだような精神的態度です。
（この作品が書かれたのは１９６２年から１９６４年にかけてであり、全学連を比喩に用いる箇所が本文中にでてきます。）

したがってこの作品は戦前のものではありません。
またもちろん描かれている幕末には、共和主義の思想もヨーロッパでは普及しているわけですし、
その後、天皇主義政治思想が１９４５年の破滅へと日本を導いた「結末」も現在の我々は知っているわけです。

明治維新は客観的にみれば、発展途上国でよくおきる軍事クーデターの一種であり、決して特別なものでも輝かしいものでも
ありません。
そうした虚飾を剥ぎ取ることができないようでは、歴史小説家として二流と呼ばざるを得ないと感じました。

土方歳三さんが主人公ですが、土方さんを中心として同僚の新撰組たちが生き生きと書かれてます。彼らの壮絶な生きざまや信念みたいなものが読む者を魅了します。こんな熱い人間がいるのかて決して真似はできないけど憧れる生き方ではあります。本読んで泣いたのははじめてでした。熱い風が流れて消えていく感じがなんともたまりません!全て真実ではないのはわかっていますが司馬さんの魅せかたがやはり素晴らしい!!今までの歴史小説で文句なしナンバーワンです。これから竜馬と坂の上の雲と大作を読みますがコレを越えてるか楽しみです。