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花神〈上〉 (新潮文庫)

価格: ¥704
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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読みやすく面白い ★★★★★
司馬遼太郎さんの作品では「坂の上の雲」の次に読みました。

正直司馬さんの本は読みづらいと思い敬遠しがちでしたが
思いきって読んでみたらわりと読みやすく、
教科書には出てくるけどいまいち覚えていない「大村益次郎という人物」
に対し、個人的には西郷隆盛や坂本龍馬と同じくらい注目されても良いの
では、と思えるようになりました。

合理的精神 ★★★★★
村田蔵六、上巻は周防の村医者から緒方洪庵の元に学び宇和島藩を経て蘭学1本で
長州の桂小五郎に見出されるまで。
まさに時代に押されるようにして歴史に登場してきた人物であろう。
やはり相当な変わり者であったと思われる。幕府の直参となった時も服装は平民同様
であったと言う。人からそのことについて言われると自分は馬に乗れないから馬乗り袴
は必要ないという。合理的精神の持ち主とも言えるが当時としてはやはり尋常ではない
ように思う。

福沢諭吉のように根っからの開明主義でもなく、日本人的排他的気概を持ちながらも
蘭学を学び、積極的に良いものを取り入れようとする。

宇和島城下の提灯張替え職人嘉蔵が蒸気機関をまがりなりにもつくり上げたところに
鎖国をしながらも、蘭学という小さな窓から西洋文物を取り入れ消化した日本の姿を
垣間見ることができる。
イネとの関わり。宇和島藩から江戸を経て長州藩へ。天才村田蔵六の前半生。 ★★★★☆
この歳になって初めて司馬の長編歴史小説を読んだ。司馬の小説はきわめて平易で、かつ自由に話が飛んだり自分の意見が入ったり、また読者の気を引くエピソードが随所にちりばめられている。多くの読者を得ている理由がよくわかった。

さて上巻は、村田蔵六の前半生を描いている。師匠の緒方洪庵が死ぬまでの時期である。
シーボルトの娘であるイネとの関わりが一つのやまとして描かれている。また、宇和島藩に存在する数々の天才が紹介されており、当時の日本の底力が示されている。嘉蔵といった男がこともなげに伝導装置を作ってしまう件は、読んでいてわくわくする。

蔵六については、「文字で書かれたものをこのように頭のなかで映像化できるというこの想像力は、蔵六の巨大な才能であった。・・・ただ楽しみなのである。医学書であれ、兵学書であれ、蔵六が書物をよむたのしみは、そこにあった」と評している。

緒方洪庵の臨終にあって、福沢諭吉との再開が描かれている。諭吉は適塾における蔵六の後輩である。司馬という人は、比較的明快に人を評する性質であるから、蔵六にほれ込み、諭吉に対してはやや冷ややかであることがそのまま文章になっている。

読者も蔵六のファンにさせてしまうところが司馬のすごいところかもしれない。
一意専心に働く生き様に感銘を受けました ★★★★★
吉田松陰や高杉晋作などの志士に比べると知名度は低いが、
明治維新を完成させた大村益次郎の物語です。
(靖国神社に大きな銅像が建っています。)

元々は村医で、蘭学で頭角を現します。
宇和島藩、幕府のもとでしばし働いた後、
故郷の長州藩で仕官します。
長州征伐の際には、長州軍を指揮して幕府軍を次々と打ち破り、
そして、大政奉還後は、
新政府軍の総司令官として采配をふるって戊辰戦争を集結させ、
明治維新を完成に導きます。

しかも、西郷がおこす西南戦争を10年も前から予知し、
薩摩軍に対する準備をしていたというのだから本当に驚きです。

このように数々の軍功をたてた、
稀代の軍事的な天才である一方で、
仕事以外のことについては全くの無頓着。

それに無愛想であまりに合理的すぎ、
ずばりと率直な意見しか言わないため、
一部の者から反感を買ってしまう。
その結果、テロリストによってあえなく暗殺されてしまう…。

幕末動乱期に大車輪の活躍をしたその生き様は、
さながら維新を成し遂げるために地上に生み落とされた機械のよう。

技術屋の私としては、合理的で、
一意専心に働くその生き様にひかれるものがありました。
お勧めの一冊 ★★★★☆
長州藩の大村益次郎(村田蔵六)が大阪の適塾で蘭学を学び、宇和島藩で蒸気船を作り、兵書の翻訳をし、江戸で鳩居堂という塾を開きオランダ語を教えたりと、村の医者だった村田蔵六が、オランダ語を通して西洋の技術や学問を習得していく姿が描かれている。長州藩の攘夷志士をバカあつかいしている福沢諭吉(適塾出身)の考え方が描かれていたり、長州藩の志士と交流があまりない村田蔵六の目から幕末の時代を見ていたりとなかなか面白い。幕府につかえていたものが幕府を倒す指揮官になるという背景が書かれている上巻であった。