短編だけに、人物描写や心理描写に物足りない感もありますが、表題作では磯川警部のジレンマにふれた場面もあって、やはり押さえどころは心得ていらっしゃいます(笑)。
「獄門島」(磯川警部)、「仮面舞踏会」(等々力警部)といった両警部登場の代表作をお読みの上、両警部の人となりをある程度捕らえた上で、両警部と金田一の似て非なる交流ぶりを比較するのも一興。