ほのぼのとした夫婦、猫との関係。とても、いい感じだけど。きれいすぎて、共感できない。うらやましいと思う気持ちが、逆にいやな気分になる。私の心がピュアじゃないからかなぁ?
でも、心が歪んでない人には、『きちゃう』1冊だと思います。
オレは二次元のねこを見てるのは結構好きですが、リアルねこの行動にはちょっと引くこともあったりして、もしこの主人公と同じ状況(ねこ嫌いの男が、ねこ大好きな女性と結婚! って、三谷幸喜さんとこも、そうだったっけ…?!)になっても、仲よく暮らして行けるかどうか、いまひとつ自信はないです。まだ(まだ、って年でもないですが)。
でも、読んでいると、ねこと暮らす人々の、さまざまな気持ちが、すごくよく伝わってくる気がしました。
全体に軽い筆致で書かれていますが、涙なくしては読めないところや、ジーンと来てしまうところなどもあり、ねこ好きの方はもちろん、そうでない方にもおすすめできる一冊であります。
だから、この本は子供でも読み、理解できるという物語だ。素晴らしい童話は、大人にもじっくり味わえるのとおんなじで、子供でもちゃんと感性があれば充分楽しめる本ではないかと思う。そして、繰り返し読むにつれて、いっそう自分の中に吸収されていくにことになる。自分の知識が増える事に、引用されている映画のことも、いろんな経験での感情の機微、悲しみ、喜び・・・不条理、直感が実感に換わっていく。
猫好きの女性を伴侶にしたために、猫のいる生活をはじめて知ることになる詩人の、詩人らしい観点で描く、猫と、新婚夫婦のしみじみ暖かく、切なくもセンチメンタルすぎないエッセイタッチのおはなしです。文学好きでその上大の愛猫家は、きっとお気に入りの1冊になることまちがいなし。