中級者向け資産運用講座:後編
★★★★☆
山崎による資産運用実践講座、今回の第二編では株式
投資と金融商品について様々な注意点を解説している。
山崎の(資産運用に関する)著書に共通することであるが、
本編でもありがちな誤解や金融機関の仕掛ける様々なワナに
はまらないよう、懇切、明快かつ論理的な記述がなされている。
数ある山崎本の中で、今回のシリーズの特徴は第一編の
前書きにあるとおり「中級者」向けに書かれていることで
あろう。すなわち一般の個人に有料でアドバイスを行う
フィナンシャルプランナーや、既にある程度の運用経験を
持つ個人に読者層を絞っている点である。
従って、株式投資と金融商品に関する「実践」講座であると
期待して具体的な株式の個別銘柄や投資信託(ETF)の
名前を探そうとするような運用初心者は、本書を買っても
失望することになるかもしれない。
本シリーズは文句なく優れた資産運用の参考書であるが、
書名(実践)と内容に若干の乖離を感じる憾みをなし
とはしない。従って今回は一点評点を減点させて頂く。
実践しながら読めば役に立つというのはやってみるまで
分からないことであろうから、、。
「中級者」になったからといってパフォーマンスが改善
するとは限らないところが資産運用の難しいところだが、
そこが面白いところでもあると評者は感じる次第である。