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民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ)

価格: ¥893
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞出版社
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本書のような時代とともに変化する対立軸を使うと、アメリカという国をより一層理解することができたような気がする。 ★★★★☆
 共和党のブッシュから民主党のオバマヘ政権は交代した。オバマ大統領は、就任間もないうちに矢継ぎ早にブッシュ時代の政策転換を打ち出している。
 本書は、この民主党と共和党の対立軸を、アメリカに在住し、JMMなどを通じて現地からの情報を生々しく発信し続けている著者により、現場感覚で解き明かしている。

 この両党に通常抱くイメージは、「保守」の共和党と、「リベラル」の民主党ということになる。ところが歴史を紐解くと、オバマが尊敬する奴隷解放を成し遂げたリンカーンは共和党で奴隷制を維持しようとしたのは民主党、二度の世界大戦や朝鮮戦争・ベトナム戦争の開戦に踏み切ったのは民主党というように、単純には割り切れない複雑な背景があるという。
 そこで本書では、ほかの国では成り立ち得ない3つの対立軸である、「銃規制」「生命倫理」「同性愛者の結婚」について分析し、さらにそれぞれの政党の文化的背景として映画、ドラマ、プロスポーツ、ビジネスにおけるそれぞれの対立軸を明確にし、さらに歴史的背景として建国以来変わり続けてきた対立軸を解き明かしていく。

 その上で、現在の最もわかりやすい対立軸として著者は、「大きな政府」か「小さな政府」か、「自由競争」か「規制」か、という点を挙げている。
 この対立軸を中心に、教育、文化振興、環境など、わが国の考え方との違いを織り交ぜながら、アメリカという国の成り立ちを明確に示してくれる。

 本書のような時代とともに変化する対立軸を使うと、アメリカという国をより一層理解することができたような気がする。
民主主義実験国アメリカ ★★★★★
 民主・共和両党のイデオロギー、政策、支持基盤の変遷を、建国当時から続く理念も含めて解説。よくまとまっている良書。いかにして白人ワッショイ奴隷バンザイの民主が社民主義政党にシフトしたのかよくわかる。
 レビューに要約書くなんてバカなことはしないが、一つだけ面白かった点。共和党支持層の方が寄付金額が大きいということ。これほど明確に両社のイデオロギーの差をあらわす事実はないだろう。
 それにしても、なぜ日本では政策議論も社会的価値観の対立軸も盛り上がらないのだろうか。社会党のような反対主義政党ではなく、まともな野党が成立すれば変わっていくのだろうか?
今後も繰り返し読みたいと思う良書 ★★★★★
 アメリカの二大政党制といえば、リベラルな民主党と保守的な共和党という紋切り型の区分けをして済ませてしまっていました。
 しかし高校の教科書で目にしたアメリカ史をちょっと思い返すだけで、その理解が誤っていることが良く分かります。
 奴隷解放を宣言したリンカーンの共和党。
 ベトナム戦争を激化させたジョンソンの民主党。
 こうした史実と自分のアメリカ二大政党の見方との間にしっくりこないものを感じる私のような読者は、ぜひこの本を手に取るべきだと思います。
 本書を読むと目からうろこが落ちるように、自分の不勉強ぶりを思い知らされることとなりました。建国の歴史からときおこして著者はこの二つの政党の拠って立つ思想の違いについて大変分かりやすい筆致で教えてくれるのです。

 ただし、一点首肯しかねるのは、アメリカのテレビドラマを民主党カルチャーと共和党カルチャーで切り分けている箇所です。
 「デスパレートな妻たち」という人気ドラマシリーズを著者は「人生というのは自分一人が『孤軍奮闘』してゆく『ほろ苦い』ものなのだ、という見事なまでにカウボーイ的思想なのである」として共和党カルチャーの番組だとしています。ですがこれは少々強引です。
 このドラマのクリエーターであるマーク・チェリーはゲイであることを公言し、自分をモデルにしたキャラクターを登場させているほど。そんなゲイの彼が共和党的番組を作るでしょうか?
 また著者はこのドラマ番組のタイトルを「デスペラートな妻たち」(117頁)とか「デスペレートな妻たち」(119頁)と誤記しています。
 巻末にこのカルチャー分析はある文芸評論家との対話から生まれたようなことが記されていますが、そこからも分かるように、もともと著者が得意とする分野ではなかったようで、結果的に必ずしも成功していないような気がしました。
不思議の国アメリカ ★★★★☆
何故大統領選挙や知事選挙のたびに、候補者の銃規制や妊娠中絶、同性婚への賛否の姿勢等が焦点化されるのか、日本の選挙とはあまりに違う光景にアメリカという国への不可思議さを感じる人は多いと思う。この不思議の国アメリカを、民主党対共和党という視点を軸に置き、プロスポーツや映画の世界なども題材に取りながら、非常にとっつきやすく紹介してくれる書である。日本はアメリカとの関係を、国際関係の中でも最重要に考え行動している訳だが、根本的には全く異文化の国なのだという当たり前の現実を常に意識しておかないと、付き合うのはとても難しい国なのだということをあらためて考えさせられた。
二大政党を分ける深くて暗い溝 ★★★★★
民主党は自分たちこそがアメリカ民主主義の本流であり、自由と民主主義を世界中に宣教するという使命感に燃えている。
話せばみんな賛同してくれるという楽観主義の一方で、こんなに良いものなのに拒否し歯向かう者は武力で打倒してやるという、独善的というか原理主義的な要素がある。
共和党は逆に、話せばわかるなんて嘘で、そもそも人間のやることは信用できないと考える。
人間に対する懐疑心が、政府やエリートは信用ならない、頼るのは自分だとなり、自己責任と孤立主義にいきつく。
そんな二大政党のDNAを、建国時やその前の入植時にまで遡って、社会価値観や教育、映画などを切り口に多角的に解説する。
よく日本では、民主党も共和党もそう極端に変らないから政権交代が起きると言われるが、この二党の差はとてつもなく大きく、読めば読むほど水と油だということが良くわかる。
日本では民主党への警戒感が強いが、オバマの世代以降はそう心配ないのではないかと著者は言う。ちょっと安心した。