第21、22話は、メビウスがミライの姿を借りるモデルにした青年バン・ヒロトの物語で、いわば「ウルトラセブン」「地底GO!GO!GO!」の21世紀バージョン。我が国特撮映像界のVIPとも言うべき名優・平泉成がヒロトの父親役で登場。その強い説得力を感じさせる語り口と哀愁のたたずまいは、まさにいぶし銀の存在だ。23話は太田愛脚本、アベユーイチ監督による「時の海鳴り」だが、今ひとつ歯切れの悪い出来に終始してしまい、アベ監督の演出力が発揮されていないように感じられる。色調を大胆に変えた映像の連打は、時空が入り乱れるパラレルな世界観を表現しているものの、ストーリーそのものの流れが断片的で釈然としない。正味24分弱の枠に収めるには、構成上の工夫が欲しかったところだ。（斉藤守彦）