ウルトラマンメビウス Volume 8 [DVD]
価格: ¥4,104
第29話「別れの日」において、ついにミライの正体がメビウスであることがリュウに知られてしまい、30話「約束の炎」ではGUYS全員がそれを知る ことになる。これまでのウルトラマン・シリーズで、シリーズ中盤にしてウルトラマンの正体が公になるという展開はなく、そういう意味で「ウルトラマンメ ビウス」は掟破りのシリーズ構成を成し遂げた。さらに待望のウルトラ兄弟の客演が実現。メビウスの教官を務めたウルトラマンタロウの登場、しかも石丸博也がその声をアテるとあって、第2次ブーマーたちは感涙必至。無双鉄神との肩書きにふさわしい、漆黒の強敵インペライザーの不気味で豪快な暴れっぷりといい、単にミライの正体がバレるだけの話ではなく、そこから“仲間と共に戦う”ことの意義を見いだすまでが、丁寧に語られた傑作イベント編。
直木賞受賞作家・朱川湊人がシナリオを執筆した第32話「怪獣使いの遺産」だが、「怪獣使いと少年」に比べ、いかんせん主題の掘り下げ方が足りない感は否めない。そのためメイツ星人ビオに手を差し伸べる保育園の園児や先生の言葉に重みが感じられないのは残念。ただしメビウスとゾアムルチの雨の中の戦いはオリジナルを踏襲し、オリジナルを彷彿とさせるクォリティ。雨に濡れたメビウスのぬるっとした生物感、作り込まれたミニチュアを横移動で捉えたカメラワークは見ごたえがある。(斉藤守彦)