クリスマスなのに
★★★☆☆
楽しいはずのクリスマスの日に始まった悲劇、お父さんが出て行っちゃう?
主人公のエムと、妹のヴィタと弟のマクシィはお父さんの違うきょうだい。
おばあちゃんとお母さんと、お父さんの6人で仲良く?暮らしていたのに!
最後はいわゆるハッピーエンドだが、うーん、本当にそれでいいの?
ちょっと釈然としない。大人が読むにはちょっとツライかな。
(子供向けの本なので、それはそれで良いのかもしれませんが)
作中にジェナ・ウィリアムズという児童書の作家が出てくるのですが、
ジャクリーン・ウィルソンの分身のよう。
書いている本も同じ様なタイトルになっているとか。
(ローラ*ローズ→フローラ*ローズ)
ストーリーとは関係ないが「小公女」の主人公をセーラでなくサラと訳している所に微妙に違和感。
「そんなに泣かないで……。」
★★★★★
ジャクリーンさんの本はよっぽど子供向けの本以外は全て読みました。どれも良かったのでオススメします!エミリー達一家は大好きなお父さんに素敵なプレゼントを貰って「最高のクリスマス」を過ごします。しかし物語は“とんでもないクリスマス”へと変わってしまうのです…。映画化かドラマになって欲しいなと思う程よい内容でした。大好きなパパがいなくなり、寂しがる三人の子供達。そして愛する旦那に出て行かれ悲しみのどん底へと突き落とされた母親のジュリー。家族の愛がテーマで父親のいない子供達の様子や家の中の会話の描写などがとてもリアルです。母と父の両方に気を遣ってしまう長女の姿はまさに離婚した子供の姿そのもの!離婚じゃなくても子供は両親共好きだからやはりどちらも守りたいのです。お父さんには「これからも会いたい」と言いたい、お母さんには「お父さんなんて二度と会いたくない」と言ってあげたい…。両親の間で揺れ動く心、兄弟、人生の悲しみとハッピー、ジャクリーンさんの本はいつもそんなテーマです。あと主人公のコンプレックスも。素晴らしくも明るい描写で書かれていて暗くないのがいい所。母親が出て行ったお父さんについて素直に「寂しい」と子供達に話すシーンでは子供達に何でも素直に話せるのはとても良い事だと思いました。元気のないママに「幸せそうな顔になってほしい」と願うエム‐‐‐。「大事なのはそれだけよ」と励ましてくれる友人。「帰ってきてくれるならどんな事でもする。ずっといい子でいるって約束する。だからお願い、帰ってきて」切ない子供の心の祈りを大人達に読んで欲しくなった。そして子供達にも…。不安にかられながら三人の子供達はひたすら父を想います。家族だから。最後はドキドキしながら読みました。期待を裏切らないエンドで良かったです。何でもない日常を物語に変えて楽しませてくれる本です。