憧れの地、熊野。
★★★★★
最初は五来先生の実際の旅の記録から始まる。「穂薄のうつくしい初秋の一日だった」という文章だけで、その日がどんな日だったか浮かんでくるようだ。それが途中から自然に、歴史的な事実の記載や先生の思索へと踏み込んでいく。他の方々のレビューにあるように、熊野について書かれた素晴らしい本だと思う。
お寺や神社に(神域や仏像や僧侶の皆さんにも)かなり興味がある私は、各地の神社仏閣を訪れてみた。しかしここ熊野だけは、なかなか決心が付かない。やはり体力的な問題が大きい。雑誌やテレビや本でいろいろと特集を見て、憧れだけは強くなっていくのだが…。
熊野を知るということは死に向き合うという事なのかも
★★★☆☆
40年前の仏教民俗学者の熊野に関するエッセイだと思
えばいいのですが、見慣れない字・聞きなれない言葉と
言ったものが出てくるので正直読み辛いです。古書など
の挿入も見られますが、解説がないので現代人にはどう
読み解くのかわからない点にも四苦八苦します。
しかし、たった200ページのこの本を読むと熊野の内包
する奥深い闇を感じ、恐れさえなしてしまいます。日本人
の死生観にまでせまる本であります。非常に大人向けの
本であります。
*著者の幅広い知識には圧倒されるばかりです。
最高の熊野ガイド
★★★★★
たった200ページの薄い文庫本ですが
中身はかなり濃い。
熊野に行ったことがなかったり
仏教・修験道の知識がゼロだったりすると
正直、読み通すのはきついかもしれません。
ただ、上記の条件をクリアしていれば
これほど熊野に詳しくなれる本は他にないと
言っても過言でないでしょう。
熊野詣のルートや、三本足の八咫烏の由来、
貴族たちの熊野詣、ハンセン氏病患者と熊野、
一遍上人、修験道、弁慶など
他書にはない内容で、最高の熊野ガイドです。