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石の宗教 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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石造の謎。 ★★★★★
ヨーロッパのように石造の建物が多い国々とは違い、日本は豊かな森林に恵まれたこと、地震大国であることなどが要因で、木造の建物が多い。仏像も木像が多い印象がある。しかし、旅先であたりを注意深く見ると、なんと石で造られたものの多いことか。例えば飛鳥。酒船石や猿石、亀石。いつ、誰が、何のためにつくったのかわからないだけに余計心惹かれる。また、各地の歴史のある町々をたどると、石仏や一里塚など、石造りのものがいかに多いかわかる。

この本は、序章「飛鳥の謎石」から始まり、石の崇拝、積石・列石信仰・道祖神信仰など、古くからの信仰と石造の謎を丹念に解いていく良著。
石に宿る庶民の精神 ★★★★★
表紙にでんと構えるのは万治の石仏。かの岡本太郎氏をして
「世界各国をいろんなものを見て回ったが、こんなに面白いものは見たことがない!」
と驚嘆せしめたという逸物です。
かつて諏訪の地に住んでいた私にとっては懐かしく、
本書の中にこの石仏の謎に迫る一項があったのみでも買いでした。

しかしそんな私の興味本位をはるかに越えて、実に重厚な内容の一冊です。
日本人の信仰と言えば、著者五来氏の言葉で言うなら「誤解された仏教」や、
政治と密着した神話などが思い浮かべられがちですが、五来氏は石に宿る素朴な自然信仰から、
日本独自の文化と、そこに育まれてきた庶民の精神を見出してゆきます。
全編自信に満ち溢れた堂々とした筆致で、”日本人としての誇り”を感じさせる一冊です。
いや「日本人」としてくくるよりは、我々の祖先から受け継がれてきた精神の矜持と言うべきでしょうか。

今も路傍に佇む石地蔵や道祖神。
そのなにげない姿に、僕らの祖先の本当の気持ちが今も引き継がれている。
それを体で感じられた時、本書の読後感はさらに清冽なものとなりました。