ジャズとボサ・ノヴァの幸せな触れ合いを感じます
★★★★★
ポール・デスモンドの代表的な演奏といえば、デイヴ ・ブルーベックと組んだ名曲「テイク・ファイヴ」を思い出します。あのデスモンドの軽やかさを全編に生かしたのがこのリーダー・アルバム『ボッサ・アンティグア』だと言えると思います。
このアルバムでは、ジム・ホールのギターがまた雰囲気をだしており、上品な仕上がりになっています。2人の良い組み合わせと、ボサ・ノヴァの取り合わせが成功したわけですね。
それにしてもデスモンドが奏でるアルト・サックスの音色は、とても柔らかくしなやかな音でスウィングしています。本当にこれだけ甘い音色のアルト・サックスというのもなかなか聞けません。息遣いを巧みに音色に織り交ぜる手法で、控えめながら上質な表現力を感じます。
6曲目の「ア・シップ・ウィザウト・ア・セイル」は、デスモンドの上手さと軽やかさが光る演奏です。明るい雰囲気を持った曲ですので、それが印象に残るのでしょう。
様々な曲で縦横無尽ともいうべきアドリブを聴くことができます。精神を開放させてその時の気持ちをステキに演奏に表わすテクニックは他ではなかなか聞けません。彼の特質をもう一度見直していただければ、このサックス・プレイヤーの良さを感じ取ってもらえるのですが。
ジャズとボサ・ノヴァの幸せな結婚、という感じでしょうか
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ポール・デスモンドの代表的な演奏といえば、デイヴ ・ブルーベックと組んだ名曲「テイク・ファイヴ」を思い出します。あのポール・デスモンドの軽やかさを全編に生かしたのがこのリーダー・アルバム『ボッサ・アンティグア』だと言えると思います。
このアルバムでは、ジム・ホールのギターがまた雰囲気をだしており、上品な仕上がりになっています。2人の良い組み合わせと、ボサ・ノヴァの取り合わせが成功したわけですね。
それにしてもポール・デスモンドが奏でるアルト・サックスの音色は、とても柔らかくしなやかな音でスウィングしています。本当にこれだけ甘い音色のアルト・サックスというのもなかなか聞けません。息遣いを巧みに音色に織り交ぜる手法で、控えめながら上質な表現力を感じます。
6曲目の「ア・シップ・ウィザウト・ア・セイル」は、ポール・デスモンドの上手さと軽やかさが光る演奏です。明るい雰囲気を持った曲ですので、それが多分印象に残るのでしょうね。
様々な曲で縦横無尽ともいうべきアドリブを聴くことができます。精神を開放させてその時の気持ちをステキに演奏に表わすテクニックは他ではなかなか聞けません。ポール・デスモンドの特質をもう一度見直していただければ、このサックス・プレイヤーの良さを感じ取ってもらえるのですが、ね・・・・。
控えめな2人
★★★★★
ともに前に出る芸風でないデスモンドとジム・ホール。聴くものをテクニックで圧倒してやろうなどという野暮なことを思わないであろう2人のコンビだからこそ、このリラックスしたムードを醸し出せる。でも、ジム・ホールの伴奏はシンプルなようで非常に高度で洗練されたものであるし、まぁ楽器のことが分からない評論家などが、このアルバムを軽く扱うのは非常に腹立たしい。ポール・デスモンドのプレイも譜面に起こしてあるのではないかと思うほど、メロディックであり美しい。スケールライクなところがまったくないのが素晴らしい。よく耳にするスタンダードは「夜は千の眼をもつ」ぐらいだと思うが、デスモンドのオリジナルも良い。「東九番街の女」なんかは凄く好き。
この時代に残されたボサノバ風ジャズはかなりあるが、その殆どが現在聴くと時代を感じさせる。しかし、これは古臭さを感じさせない1枚である。
ブラジルの夕暮れの海岸にひとっ飛び
★★★★☆
ポール・デスモンドほどジャズ評論家ノ軽んじられているサックス・プレーヤーもいない。いわく、軽い、イージー、独創性がない、商業主義的ジャズだ。などなど。文学だって純文学と大衆文学があっても、大衆文学は純文学より劣る。ということにはならない。同じように、わかりやすいジャズがつまらないということには、ならない。暖かい、ちょっとくぐもったデスモンドのトーンは実にいい。オリジナルのボサノバ調の曲が多いこのアルバム、聴けば、ブラジルの夕暮れの海岸にひとっ飛び。心の底から癒される。同時期の「テーク・テン」「イージーリビング」「デスモンド・ブルー」もおすすめ。(松本敏之)
ブラジルの夕暮れの海岸にひとっ飛び
★★★★☆
ポール・デスモンドほどジャズ評論家ノ軽んじられているサックス・プレーヤーもいない。いわく、軽い、イージー、独創性がない、商業主義的ジャズだ。などなど。文学だって純文学と大衆文学があっても、大衆文学は純文学より劣る。ということにはならない。同じように、わかりやすいジャズがつまらないということには、ならない。暖かい、ちょっとくぐもったデスモンドのトーンは実にいい。オリジナルのボサノバ調の曲が多いこのアルバム、聴けば、ブラジルの夕暮れの海岸にひとっ飛び。心の底から癒される。同時期の「テーク・テン」「イージーリビング」「デスモンド・ブルー」もおすすめ。(松本敏之)