このお話は、ほとんどジュディ(ジェルーシャから改名)が「あしながおじさん」に宛てて書いた手紙の書簡集ですが、ジュディが日頃の様子を伝えようとせっせと手紙を書いている様子が目に浮かびます。大学では何もかもが孤児院と違い、勉強や華やかなファッション、そして仲の良い友達に囲まれて戸惑いながらも楽しむジュディ。周りに孤児ということをひた隠しにしながら、「おじさん」にだけは正直に思いのたけをぶつけるジュディがいじらしいです。何とか「おじさん」の正体を知りたくて、時には無遠慮な質問を投げかけたり、ユーモアあふれる文章や思わず笑ってしまうイラストもいっぱい!ジュディの文面から楽しい大学生活がうかがえます。
ジュディは向学心に燃えたり、作家を夢見たり、『若草物語』のジョーや『赤毛のアン』のアンに共通したところもあるのですが、私が一番好きなのは、彼女がいつか「おじさん」に恩返ししようとするキチッとした所です。教育を受けさせて頂いた分、何とかお返ししようと決意するジュディの信念が伝わってきます。