細部の描写や敬語が珍しかった
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解説を読んで、戦前の良家の子女が読んだものとわかり、腑に落ちるところがありました。
昔はさっぱり理解できなかった、筋書きの背景にあるイギリス貴族の暮らしぶり、城や広大な敷地や、先祖たちの絵が並ぶ様子などを、今はハイビジョンの映像で知っているので、細部の描写を確認して満足しました。
子ども時代に、ある程度、この時代の英米のこまごましたことを知ることができると、歴史や文化を理解するのに、糸口になるのではないでしょうか。
日本語訳では、セドリックが敬語を操って、マシュマロのように優雅に感じられます。英語の原文は見たことがないのですが。この優雅さは、今では珍しくて、雰囲気が貴重に思われます。
ただ、無邪気な善意で向かえば、他人も善意で返してくるというようなことは、やはり空想の世界のことでしょう。