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一千一秒の日々 (角川文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
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神は細部に宿る ★★★★☆
気持ちとしては★4.5です。

以前からしつこく言っているのだが
大きなお世話を百も承知で、
またこの比較の本質的な無意味さをも百も承知で繰り返すと、
綿矢りさと金原ひとみが芥川賞を受賞した時に
「Why not 島本理生?」と腹が立ったのだ、私は!
(個人的には、あの回の彼女の候補作「生まれる森」は特に内省的な感じが強くて、痛いけれど大好きなのだ。)

別に、残る二人をこきおろすつもりなんじゃなくて。
でも単純に、この三人だったら、明らかに島本理生が頭ひとつ抜きんでてると思うんだよね。

この人の小説って特に大がかりな仕掛けやプロットは何もないけれど、「細部にこそ神が宿る」の典型例だと思う。ディテールの映し出し方のこまやかさ。感受性の解像度の高さと言おうか。読んでいて、ふとした拍子に背筋をざわっとさせる場面に一度や二度は絶対に行き当たる。描かれているのは退屈になりかねないほど平凡なモノなのに、絶対にそうはならない作品をコンスタントに書き続けているという時点で、この人の実力は証明されていると思う。

本作は連作短編集なのだが、最後の2編がすごく好き!「新しい旅の終わりに」の加納くんは、どこか「リトル・バイ・リトル」のキックボクシングをしている男の子を彷彿とさせる人物設定で、ああ、こういう男の子好きだなぁ、としみじみ(「男性」じゃなくて「男の子」なんだよね、この種の人間を形容する言葉は)。また、最後にこんなモン持ってくるなんて反則だよ、と思った「夏めく日」。最後に明かされる真実の切なさに身悶えしてしまった。

この人の小説、やっぱり大好きです。
よしもとばななに通じる瑞々しさがある。
この感性は、非凡だ。
身近に感じられる登場人物 ★★★☆☆
ある話では脇役だった登場人物が別の話では主人公になり、主役を入れ替えて話が進んでいく小説でした。

特に気に入ったのは3話目の「青い夜、緑のフェンス」です。

太っていることがコンプレックスで、自信が持てず、自分のような男を女の子が好きになるはずがないと思い込んでいる針谷君と元気でかわいい今時の女の子の一紗ちゃんが歩み寄っていく姿を描いた話です。

この針谷君は何か俺みたいだった。
俺に近いものを感じる登場人物だっただけにこの話が気に入っているんだと思う。

この話だけではなくこの話の登場人物はみんな不器用で、完成された登場人物という感じがなく、身近に感じられるのが特徴です。
皆さんに近い登場人物もこの作品の中に登場しているかもしれません。
機会があれば手にとって読んでみていただければと思います。
お手軽サイズな恋愛小説 ★★★★☆
“ナラタージュ”を読んで島本さんの書く透明感のある文章が好きになり、
この作品に出会いました。

主人公がリレー形式で変わる短編集で、いずれもテーマは恋愛。
誰かを愛したいとか、愛されたいって気持ちを持つ少年少女の日常の一部を切り取ってます。
さらっと読める話ばかりで、切なくもあり幸せでもある色んな恋愛の形をあらわしていると思います。



ちなみに文庫本には中村航さんの解説が載っていて、そこに書いてあったことですが、
タイトルの一千一秒とは、16分と41秒のことで。
たまたまかもしれないけど、一つ一つの章を大体そのくらいの時間で読めました。

お洒落感のない鷺沢小説 ★★★★☆
この作品は変なまどろっこしさや、しつこさがない恋愛小説でした。
「ナラタージュ」より非常に素直な恋愛小説で私も感情移入ができました。

よく考えると、鷺沢萌の初期の恋愛小説のような感じがしました。
20代前半の損得勘定のない恋愛観が表れていたと思います。
ただ、鷺沢小説のようなお洒落感はなく、素朴な恋愛小説となっていました
軽い、けど重い ★★★☆☆
「ナラタージュ」を読んでだんだんそのグロさに気持ち悪くなってきたけど、
そのグロさを半分以上緩和したような本作。

たぶん、作者の書きたいことはいつも決まっててそれをいかに味付けするかの違いという印象をうける。
今回は、「ウフ。」連載ということもあって軽い感じになったのだろう。
今後、どうやって化けていくのかが気になるところ。

テーマは、若い男女のやりとり、もしくは片方の家庭に問題があるから
少し離れた方がいいだろう。読み手として「あーまた同じテーマか」て思ってしまうのはつまらなく、寂しい。