日本で出版されている中国語の辞書の中で、この本だけが別格である。その特徴は、聞いた音を漢字と関係なくそのままピンインで引ける辞典であること。例文が簡潔平易で、現実に通用すること。1990年以前に編纂されたとは信じられない労作である。
　現在では電子辞典が出現したが、是非このような高品質のものを電子辞書に搭載して欲しいと思っているのは私だけではないと思う。ついでに、愛知大の辞書、外来語辞典も搭載して欲しい。
　この辞典は、新語が少ないという欠点を補ってあまりある内容であり、著者（編者ではない）の個性を強く感じさせる秀逸の辞書である。

word単位でのアルファベット順ピンイン配列、＜字典＞でなく＜辞典＞である。中国語でのこの配列方式は本書が唯一、他には無いと思われる。品詞の表示もある。１９７０年代後半、某外大中国語科では、新入生はまずこれを買った（買わされた）。当時は一部簡体字になっていなかったが、現在のものは完全簡体字となり、見やすくなっている。