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覆面作家の愛の歌 (角川文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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謎解きの面白さだけではない♪ ★★★☆☆
ある女性が殺された。死亡推定時刻は夜中の12時。彼女は、殺される
直前に婚約者の中丸に電話をかけていた。中丸のそばには、彼女を殺した
のではないかと思われる南条もいた。南条はどのように彼女を殺害したのか?
覆面作家新妻千秋の推理が始まる・・・。表題作を含む3編を収録。
覆面作家シリーズ第2弾。

どの話も面白かったが、一番よかったのは表題作「覆面作家の愛の歌」だ。
アリバイ作りのトリックが巧妙で、感心させられた。ちょっと複雑すぎて、
理解するのに何度か読み直してしまったが(^^; 南条の、屈折しゆがんだ
感情にはぞっとさせられた。「覆面作家のお茶の会」は、良介が関わる
「推理世界」のライバル誌「小説ワルツ」の静美奈子の友人にまつわる話だが、
家族が家族を思う気持ちにホロリとさせられた。この作品は、謎解きの面白さ
だけではなく、良介と千秋の微妙な関係にも面白さがある。はたしてこれから
進展するのか?また、優介にも恋の季節が!?第3弾が楽しみだ。
皆さん、もっとこのシリーズにご注目を!!!(その2) ★★★★☆
天国的美貌の御令嬢にして推理作家、かつ頭脳明晰な名探偵にして類を見ない「外弁慶」。そんな新妻千秋と担当編集者・リョースケのシリーズ第二弾。個性的な女性編集者もレギュラー陣に加わり、賑やかさを添えている。

本作には千秋が謎を解く三篇が収められる。若き天才菓子職人の女性、エキセントリックな演出家などが登場。演出家・南条と千秋の火花散る対決、複雑なトリックも楽しめる。シェークスピア好きのかたにもおすすめしたい。

肝心の(?)リョースケと千秋の恋路は・・・ 短い文章で、リョースケの思いや人柄を立ち上らせる筆づかいが相変らず心憎い! 温厚でとぼけた味わいの彼に「今まで、こんなに真剣になったことはない」と千秋への思いをぶつけさせるも、「泣き出すのではないか、と思った。もう止めよう、と思った」と踏みとどまらせる。リョースケにとって千秋は世界にふたつとないとびきり繊細な貴重品なのだ。しかし予想に反し、そのリョースケを驚きうろたえさせる反撃に出る千秋。・・・彼女も成長したのだ。リョースケがんばれ!

キャラクターの魅力よりも謎に重点 ★★★☆☆
 1995年に出た単行本の文庫化。
 覆面作家シリーズの第二作。全3作の中では、残念ながらもっとも落ちる一冊。
 3年のブランクを経て書かれたという「覆面作家のお茶の会」のほか、「覆面作家と溶ける男」、「覆面作家の愛の歌」が収められている。
 新たな登場人物が何人か加わったり、どうやら長期のシリーズ化を目指して書かれたように思える。残念なのは、そのことによってキャラクターよりも謎に重点が置かれるようになってしまったこと。それから、覆面作家と岡部良介の関係が遅々として進まなくなってしまったことである。
 謎そのものは良く出来ている。しかし、覆面作家が名探偵として固定されてしまうことで、キャラクターの魅力が半減してしまった。これは北村薫の短篇ミステリに常につきまとってくる問題だと思うが、残念である。
北村薫のお得意 ★★★★☆
北村薫はお嬢様ーという言い方に語弊があるならば、世に擦れていない若い女性を描くのが得意である。そしてその女性を世のどろとせろとした世界に少しだけ放り込みたがるということも付け加えておきたい。ところが彼女たちはその汚れているはずの海の中で見事に美しく泳いでいくのである。彼女は言うだろう。「わたくし、子供じゃありませんっ」-そう彼女は子供じゃない。素敵な女性なのだ。しがない独身編集者のリョースケが身分違いの恋をしても当然なのだ。さて、今回の「汚れた海」とはーそれは読んでのお楽しみ。 巻末のもと北村担当編集者の解説も感動的である。