キレイな3話
★★★★★
夜市でもその美しい物語と構成に感服しましたが、今度の作品も素晴らしいです。
小難しい表現の仕方や言い回しはまったくないのに、それでいてチャチくならない、本当に質の高い作品だと思います。
季節や色彩が活字を見た途端に浮かんできます。
誰でも一度は思うだろうけれど
★★★★★
明日が来ると信じて疑わなかった私に突き付けられた現実。それは11月7日、今日が繰り返されるということ。夜眠って朝になるとまた11月7日。何かを今日しても朝にはまたゼロから始めることになる。
ただ、記憶だけは消されずに毎日過ごしている。けれどある日、私以外にも11月7日でループしている人々がいることに気づく。そして彼らとの交流。私はいつまでここに居続けるのだろうか?
毎日何気なく過ごしているけれど、本当に私は明日へ行けるのだろうか?ちょっと怖くなってしまいました。
誰でも一度は「今日が続けばいいのに」って思うことがあると思うけれど、本当に続くと…。
夜市の透明感とはまた違う。全体的に冷めている。毎日を続けることにパニックになりそうなのに、主人公やループしている人々はなんとなく慣れて、だんだんとその状況を受け入れている。
先があるようなないような世界。閉塞感があるのに息苦しさはない。
とても心がざわざわする一冊でした。
一気読み、短編集。
★★★★☆
不思議と元気の出てくる「秋の牢獄」
明日も頑張ろうと思う「神家没落」
ウザい上司の話しは適当に聞き流そうと思えてくる「幻は夜に成長する」
「あぁ、明日から仕事かぁ・・・」という、憂鬱な日曜日の午後に読めば、また来週一週間もなんとか自殺しなくてすむ様になれる気分な、一冊。
幻想世界へようこそ。
★★★★★
最初、私はこの本の紹介を見た時に恒川光太郎氏はSFも書くのかと思った。
しかし、実際に蓋を開けてみれば、やはりそこには氏特有の幻想的な世界の“違和感”があった。
たった一日をやり直す世界で、人はどう生きていくのか。そして“ソレ”に対してどう足掻いていくのかと言ったものが非常にリアルに描かれている。
他の章については、奇妙な世界に依存する……あるいは寄生するイヤらしい人間模様の濃厚な描写に舌を巻いた。
奥歯の隅に何かが挟まったような苛立ちと後味の悪さは流石というか、なんというべきか。
忘れることのできない、という意味においてはこの本は語り継がれるべき一冊だと思う。
言う事なし
★★★★★
夜市が面白かったので、すぐに購入しました。
やはり恒川氏はすごい。最高です
夜市を面白いと思った人は、これも買うべきだと思います
私個人的には最後の話が一番面白かったです