共同体の原初的形態から、丁寧に説明されているので
共同体の成立と発展を知りたい人にはお勧めです。
本著は戦後改革の時代に書かれたものであり
発展段階説をとっているので、少し古く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
ひとつの説として共同体の勉強に役立つでしょう。
文章は少々難解なので、薄いですが読み応えは結構あります。
<本著の経緯>
著!!者 大塚久雄氏の研究テーマは
資本主義の発生と発展の歴史であり、
その過程に「共同体の解体」とうい一説を含んでいます。
その崩壊を語る前に、広く「共同体の」本質、成立と解体の
諸条件を理論的にみなおす必要から書かれました。
<本著の構成>
骨格は近代以前の富の基礎的な範疇である
「土地」の共同体的占有を出発点とし、
共同体の発展段階を
アジア的形態→古典古代的形態→ゲルマン的形態
としています。
(マスクスの「資本主義的諸形態」に習う)