全三巻の「地質学」教科書の第一巻となる本書では、地球という惑星の成り立ち、他の惑星との比較から始まって、地球の内部構造、プレートテクトニクスの解説などが続く。このあたりは個々の知識はあったものの時系列でまとめて読み直すことで非常に納得がいく。
後半は水、エネルギー、元素、そして生命の循環という内容で、物質の転換・循環による生きている地球の仕組みを知ることが出来る。化学式の登場回数が多いが、図も適度に掲載されているので、反応自体にとらわれずに原因と結果を追っていけば中高生でも理解できると思う。
著者曰く、このような「広範囲な内容を一人で執筆するのは、ほとんど暴挙といってよい」ということだが、第二巻は三年半後に無事上梓された。第三巻が待たれる。