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読書人の観潮

価格: ¥1,529
カテゴリ: 単行本
ブランド: 潮出版社
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他人が見たら訝るほどの乱雑さ ★★★★★
 前半は社会批評。後半は長めの書評27編。四十坪十万冊の書庫が阪神大震災で被災して大混乱したことを機会に、谷沢が思い切って、その蔵書の処分を行ったときの話が冒頭にある。9項ばかりであるが、谷沢の読書人生の一端が窺えて興味深い。
 「・・・散らしたくない思いの蒐書が何種類かある」。一、「風聞記評判記人物論放言録・・・」、二、「出版社の社史に関係する・・・」、三、「各種叢書類の内容見本」。「(放出する例外は)大正二年以来の『新潮』・『文藝春秋』・・・。「(処分した)二流以下をもし読み漁らなかったら、・・・を超一流と認めることができなかったかもしれない」。「補佐役に求められる二〇の心得」は、サラリーマンなら暗誦必至。
 書評のトップ「樅の木は残った」、は圧巻。二十代のころ粋がって読んではみたが、ほとんど理解出来なかった悔しさを思い出した。この書評を五十回読んでから再挑戦しよう。渡部昇一、「三国志」には、谷沢はちょっと肩入れし過ぎではないか?。91P「先生の電話」、巻末の三編は、谷沢の情感の深さをよく物語っている。