インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

「日の丸・君が代」を強制してはならない―都教委通達違憲判決の意義 (岩波ブックレット)

価格: ¥504
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
やや中途半端だが、思想統制が起きていることがわかる ★★★★★
まず日の丸・君が代処分 という本を読んだ方がいい。都立高校に対する都教育委員会が推し進めている日の丸・君が代の強制と教師に対する都の処分の凄まじさがわかる。板橋では警察を介入させ、偽計業務妨害罪で逮捕、起訴され有罪(未確定)ということまで起きている。事件はHPで検索すればわかるので割愛。逮捕、起訴が不相当であり、また裁判所も有罪と認定すべき事実関係にはない。刑事司法が有罪としたのは衝撃だった。この本は都が君が代・日の丸を通年行事においてどのように取り扱うべきかを事細かに指示した通達を違憲とした裁判における裁判所の判断のロジックと、教師個々人のさまざまな君が代・日の丸の不斉唱、不起立、伴奏拒否理由が収められている。前者は憲法の法的知識を持っていればその面白さや裁判官の苦慮がわかるし、また都がいかなる憲法理論をぶつけてくるかがわかるが、そのあたりを著者がわかりやすく、また参考文献を挙げていないのが薄いのが残念。証言も数が少なくこの本では欲求不満となる。しかし、やや荒れた筆致ながらなぜ教育権が重要なのか改めて考えさせられてよかった。ここには右・左のレベルを超えた国家統制・ファシズムをひしひしと感じさせられる。左だから、ではなく強制への反感や危機感が原告が共有しているところがよくわかった。控訴審以後の司法の良心を信じたい。破ったら血が流れる判決である。
教育基本法がもっとも生きた瞬間 ★★★★★
「そして、閉廷。法廷内の人びとが弾けた。一斉にわきあがる歓声と拍手、笑顔に包まれた人びとが肩をたたきあい、声を詰まらせた感動の交歓」
 2006年9月21日、東京地裁は、東京都教育委員会が教職員に対して「国旗に向かって起立し国歌を斉唱せよ」と命令できるか否かについて、明確な違憲判決を下した。本書では、この判決の内容の歴史的な意義について、そしてそこまでに至る、立ち上がった教職員や支援者たちの苦闘の軌跡が描かれていく。
 原告401人は様々な思想、信条の理由から、「命令」を拒否した。キリスト者、植民地支配の象徴は認められないという人、天皇を賛美する歌など歌えないという人。彼らがその想いを述べた膨大な陳述書の一部がここで紹介されている。弁護士である著者の澤藤氏は、原告の最終書面であえて彼らの「個人史」を全面に押し出した。曰く「すべての原告は教員である以前に市民の一人としての個人史をもっている。その精神形成のありかたが、日の丸・君が代の強制を苦痛とする。あるいは強制に抵抗せざるを得ない思想・信条・良心・信仰を形づくっている」。本当にこの訴訟に成算はあるのか?著者は当初そう思ったという。そうした「成算」を超えた判決が得られたのは、原告ひとりびとりの勇気と信念の多様さと豊かさ、そしてそれがゆえの力強さによってであることが、抜粋された陳述書から読みとれる。「改悪」を間近に控えた情勢のなかで、原告たちは、判決を教育基本法に依拠させることで、法の本領を発揮させる場面をつくりあげたのだ。
 敗北した東京都がただちに上告したのは周知のとおり。闘いはまだまだ続くが、あらためてこれまでの軌跡を振り返り、その意義を十分にかみしめる豊富な材料を本書は提供してくれている。
喜びが伝わってくる本です。しかし、 ★★★★★
 東京の教育の荒廃(石原都知事を急先鋒に、教育委員会など上からの某国のような統制・強制)は、他の本に譲りますので、見ていただきたいと思います。
 本書は、「君が代」「日の丸」の強制に対し、裁判で争い、勝利をつかんだ報告です。
 通達等で現場の教師に強制したが、これが憲法、教育基本法に反していることが、ついに裁判で明らかにされました。
 「国歌を斉唱する義務のないことを確認する」。この重い判決も、教育基本法が改悪され、新たなたたかいが始まるのかもしれません。
 今は、みんなで喜び合う、それにふさわしい、著者の喜びが伝わってくるブックレットです。一読をおすすめします。